Q) 4歳になる息子がいるのですが、2歳ぐらいまでひどいいびきをかいていました。今は以前ほどではないのですが、子供のいびきは良くないと聞きました。何が良くないのか詳しく知りたいです。
A) 「いびき」は「睡眠時無呼吸症候群」の主症状です。大人のいびきが「肥満」「メタボリックシンドローム」などの生活習慣病が主因であるのに対し、小児の場合は口腔や鼻腔などの形態学的な問題が主因であるのが特徴です。具体的には「アデノイド増殖症」や「口蓋扁桃肥大」が該当しますが、一般にアデノイドは3〜6歳、口蓋扁桃は5〜7歳で最大となり学童期の後半には次第に退縮がみられますので、小児のいびきがみられるのは2〜6歳が多いと言われています。この時期は成長・発達に重要な時期でもあり、無呼吸が「成長障害」「低身長」につながる可能性があります。
今は以前ほどではないとの事ですが、もしいびきに伴ってお子さんの胸が陥没しているような状況(陥没呼吸)であれば要注意です。他にも起床時不機嫌、日中の長時間の昼寝、落ち着きのなさ、多動、攻撃的な行動、集中力の欠如などが無呼吸に伴ってみられうる症状とされています。もしお子さんがこれらに該当するようであれば、一度無呼吸専門外来か耳鼻咽喉科を受診する事をお勧めいたします。
(2020年11月13日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)