
A) 気管支喘息は幼児から高齢者まで幅広い年代の方にみられる疾患ですが、「こどもの病気」と思っている方が意外に多く「大人で喘息の人はこどもの頃から喘息」と考えてみえる方も多いです。一般的に「こどもの喘息(小児喘息)」は60%程度の方が適切な治療をすることにより治癒・寛解すると言われており、実は治る事が多い疾患なのです。小児喘息で治った人のうちおよそ30%程度の方は大人になってから再発すると言われてはいますが、「大人の喘息(成人喘息)」の方で小児喘息だった方はおよそ20〜30%程度であり、こどもの頃に喘息でなかった人の方が大半を占めると言っていいでしょう。しかも統計的には成人喘息のうち60%以上は40歳以降の発症ですので、50歳で突然気管支喘息と診断されてもなんら珍しいことではありません。
一方小児喘息と異なり成人喘息は現在の医療では完治は難しいと考えられています。しかしながらきちんと治療すれば80%以上の方は無症状の状態でコントロールできると言われていますので、ながく付き合うつもりで主治医の先生とよく相談しながら治療を続けていくことをお勧めいたします。
(2021年3月16日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)