
A) マイコプラズマ感染症は気道感染症において珍しいものではなく、長く咳が続くのを特徴としますが、毎年半年近く同じ時期に咳が続くというのは「マイコプラズマ」ではなく「アレルギー」の問題が主であると考えます。
このように「季節性のある咳」というのはアレルギー疾患の特徴ですが、病名としては「気管支喘息」が最も疑わしいと考えられます。「気管支喘息」というと「いつも咳き込んでいる」「いつもゼイゼイいっている」というイメージされる方も多いですが、「風邪をひくと咳が長引く」「季節の変わり目に咳が出る」といった一時的な症状である場合も少なくありません。
今回の場合はきちんとした診断をされているわけではないようなので、専門医に受診されたわけではなく治療も「症状が出たら受診しておさまったら治療をやめる」といった対処をされているのではないかと予想いたします。「気管支喘息」の場合、最も良い対処は「症状が治まっても治療を継続すること」です。症状がなくなっても病気として治っているわけではないので、毎年同じ時期に症状が出てしまうのです。一度呼吸器専門医を受診して、きちんとした診断のもとに治療を受けることをお勧めいたします。
(2021年11月11日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)