
A) まず吸入器の「役割」という意味でいうと「コントローラー」と「レリーバー」に分けられます。「コントローラー」は症状の有無にかかわらず毎日使用して、症状をコントロールする、あるいは症状が出ないようにするものです。薬剤の成分でいうと「吸入ステロイド薬」「長時間作用性β2刺激薬」「抗コリン薬」が該当します。一方「レリーバー」は症状が出現した時に症状を抑えるために使用するもので、「短時間作用性β2刺激薬」が該当します。
次に吸入器の「製剤」という意味でいうと「ドライパウダー」と「エアロゾル」に分けられます。「ドライパウダー」は粉末状の薬剤を自分で吸って気管支に入れる構造になっています。「エアロゾル」は小型のガスボンベのような形状になっており、手で押し込んで薬の入ったガスを噴霧して吸う構造になっています。
「コントローラー」「レリーバー」それぞれに「ドライパウダー」と「エアロゾル」があります。また「コントローラー」には薬剤成分として3種類あるわけですが、単一薬剤のものもあれば二種類あるいは三種類を含む「配合剤」もあります。また当然ではありますが大人用と子供用、重症用と軽症用では含まれる薬剤の用量が異なります。
医師は患者さんの年齢や重症度、吸気力など様々な観点からどの薬剤がいいのかを選択することになります。
(2021年12月21日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)