2022年03月15日

Q「COPDの治療に「呼吸リハビリテーション」というのがあると・・・」

教えてドクター2.jpgQ) COPDの治療に「呼吸リハビリテーション」というのがあると耳にしましたが、どのような治療なのでしょうか?

A) 「リハビリテーション」というと腕の骨折をした後の筋力回復強化を目的とした「運動器リハビリテーション」や、脳梗塞後の麻痺の回復などを目的とした「脳血管疾患等リハビリテーション」を頭にうかべる方が多いように思います。「呼吸リハビリテーション」は「呼吸器に関連をした病気をもつ患者が、可能な限り疾患の進行を予防あるいは健康状態を回復・維持するため、医療者と協働的なパートナーシップのもとに疾患を自身で管理して、自立できるよう生涯にわたり継続していくための個別化された介入」と定義されています。
 COPD(慢性閉塞性肺疾患)は呼吸器疾患の代表的な慢性疾患であり病状は慢性進行性で、運動負荷時の息苦しさをはじめとする呼吸器症状の他、下肢筋力の低下など運動機能の低下をきたす疾患です。COPDに対しては吸入薬を中心とした薬物治療以外に呼吸リハビリテーションを積極的に行っていくことが推奨されており、その構成要素には運動療法・セルフマネジメント教育・栄養療法・心理社会的サポートなどが含まれます。実施にあたっては医師・看護師ほか、理学療法士・呼吸療法士・栄養士、ソーシャルワーカーやケアマネージャーなど多職種が関わる事になります。積極的な呼吸リハビリテーションは身体活動性の低下を防ぎQOL(生活の質)の向上につながると考えられています。


(2022年3月15日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


posted by けやき内科 at 05:00| 教えて ドクターQ & A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする