2023年03月20日

Q「ぜんそくの持病があります。花粉が飛ぶ時期は・・・」

教えてドクター2.jpgQ) ぜんそくの持病があります。花粉が飛ぶ時期はぜんそくにも注意が必要と聞きましたが、どういうことでしょうか?

A) ぜんそくはアレルギー疾患の一つですが、アレルギー疾患の代表的なものの一つに「花粉症」もあげられます。「花粉症」はスギ・ヒノキなどの花粉に対して鼻・喉など上気道の粘膜や眼の結膜においてアレルギー反応を起こすことにより「鼻水」「くしゃみ」「目の痒み」といった症状が出現する疾患です。アレルギー疾患を有する方は複数のアレルギー疾患を持つことも少なくなく、ぜんそく患者さんのおよそ7割は「花粉症」があると言われています。
花粉症が鼻・喉といった「上気道」を反応の場とするのに対し、ぜんそくは気管支つまり「下気道」を反応の場とします。花粉は粒子が大きいため花粉そのものは下気道に到達しないと考えられていますが、上気道も下気道も同じ連続性のある気道ですので、上気道で反応が起きると下気道に影響が及び反応しやすい状況になると言われています。この考え方を「One way, one disease」といいます。したがってぜんそくの方で7割の方は花粉飛散時期には病状が不安定になりやすいと考えられています。ぜんそくの治療を受けていても花粉症に対しての治療・対策がきちんとできていないと、なかなかぜんそく症状がコントロールできない事も少なくありません。主治医とよく相談して花粉対策をしながらぜんそくの治療を継続していくことをお勧めいたします。


(2023年3月20日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


posted by けやき内科 at 05:00| 教えて ドクターQ & A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする