Q) COPDだと冬の感染症対策を念入りに行う必要があると聞きましたが、なぜでしょうか。
A) COPD(慢性閉塞性肺疾患)は主に喫煙によって引き起こされる気道の炎症性疾患です。慢性的な「咳」や「痰」、「息切れ」を主な症状としますが、かなり病状が進行するまでほとんど症状が出ない場合もあります。また通常は加齢とともに病状は進行していきますが、風邪などの感染症をきっかけに、病状はさらに一段階悪化した状況となることも知られています。
一方、冬場の感染症の代表的なものに「インフルエンザ」や「肺炎」がありますが、基礎疾患がある方は重症化することが知られており、その「基礎疾患」の代表的な疾患がCOPDです。また「新型コロナウイルス」についても「喫煙者」や「COPD」の方の重症化リスクが高いことはみなさんご存知かと思います。
このようにCOPDは感染症の合併に伴って「COPDの病状が一段階悪化する」ということと、COPDが「感染症の重症化リスクになる」という二つの側面があるのです。感染対策としては、インフルエンザや肺炎球菌、新型コロナウイルスなど予防接種があるものは積極的にうけ、また外出時のうがい・手洗いを欠かさないよう、また睡眠を十分にとるなど体調管理に注意することも重要です。
(2023年12月21日 市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)