Q) なかなか自分だけでは禁煙できないので禁煙治療をしようと思いクリニックへ行くと、薬品不足で治療中止していると言われてしまいました。ほかに治療できる方法はないでしょうか。
A) 現在「禁煙外来」で使用する禁煙補助薬である「バレニクリン酒石酸塩(以下バレニクリン)」が長期欠品しており、そのため「禁煙治療」を中止している医療機関も少なくありません。しかしながらバレニクリン以外の禁煙補助薬として「ニコチン貼付薬(以下ニコチンパッチ)」があり、ニコチンパッチを用いて「禁煙外来」を実施している医療機関もありますので、問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。
バレニクリンと異なりニコチンパッチは薬剤の成分としてニコチンを含んでおり、禁煙外来通院期間もバレニクリンが12週間であるのに対し、ニコチンパッチは8週間(保険上は10週間まで投与可能)と短いですが、厚生労働省の禁煙外来治療実態調査によれば禁煙外来5回通院者の4週間禁煙率はバレニクリン 79.1%、ニコチンパッチ 76.9%と大きな差はありませんでした。また現在市販の禁煙補助薬「ニコチンガム」もありますので、病院を受診せずに市販薬を用いてご自身で禁煙に取り組むのも一つの方法です。ただしニコチンパッチやニコチンガムは成分としてニコチンを含むため、うまく禁煙できず漫然と使用すると健康上よくありませんので注意が必要です。
何より大事なのは「禁煙しよう」というご自身の意思だと思いますので、検討いただいて前向きに取り組まれることをお勧めします。
(2024年4月24日 市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)