Q) 毎年、胸部レントゲン写真による肺がん検診を受けています。早期発見のために、ほかにどんな検査を受けるのがよいですか。
A) 名古屋市の肺がん検診でも胸部レントゲンで評価していますが、喫煙歴が長く喫煙本数も多かった方は喀痰細胞診も併用して実施されています。一方で人間ドックなどではレントゲンでは小さい病変の描出が難しいと考えられるため、胸部CTで評価する場合もあります。
なぜ肺がん検診で胸部CTをしないのかというと、レントゲンに比べコストや時間がかかること、市民検診のようにより多くの人に受けていただくためには診療所レベルではCTを設備していない場合も多いこと、CTの方が放射線の被曝量が多いこと、などが挙げられます。また、がん検診の最も重要な課題である「死亡率の減少」という意味では、現行のレントゲンと喀痰検査の併用で十分な効果が得られているという報告もあります。一方で「早期発見」という意味でいうと、レントゲンはCTに劣るという点で否めないため、検診にCTを用いようという試みもされていることは事実です。
上記もご理解の上、ご自身の不安が大きいと言うことであれば、胸部CTを人間ドックなどで受けられてはいかがでしょうか。
(2024年6月25日 近郊通し版「教えて!ドクター Q&A」掲載)