Q) 最近階段をのぼるときなど、すぐ息が切れるのが気になっています。年齢のせいでしょうか?
A) 確かに年齢とともに筋力や心肺機能が低下することにより「息切れ」を自覚する可能性はありますが、必ずしも加齢によるとは言い切れません。
一般に息切れは酸素不足によって起こります。酸素は呼吸によって空気中から体内にとり込まれ、肺の肺胞で血液中に溶け込みます。血液中の酸素は赤血球のヘモグロビンによって全身に運ばれますが、血液を全身に送る役割は心臓が担っています。この肺・ヘモグロビン・心臓の3つのうちのどれかに問題が起きると酸素不足になります。したがって慢性閉塞性肺疾患、間質性肺炎などの慢性進行性の呼吸器疾患、心臓弁膜症や心筋梗塞などの心疾患は息切れの原因となり得ます。またヘモグロビンの減少はいわゆる貧血を指しますが、胃や大腸などに何らかの病気ができて起きる消化管出血は貧血の原因になりますし、白血病などの血液疾患も貧血を伴う場合があります。
このように息切れは様々な疾患から引き起こされる可能性があり、息切れの症状のみでは原因を特定するのは困難です。息切れの程度にもよりますが、早めに病院を受診して精密検査を受けることをお勧めいたします。
(2024年9月27日 市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)