Q) 誤嚥性肺炎のリスクを減らすためにできることは何でしょうか。
A) 物をのみこむ働きを「嚥下」といいますが、何らかの理由により嚥下機能が障害され、本来入るはずのない食べ物や唾液・消化液が気管の中にはいってしまい、同時に細菌が気道内に入り起こる肺炎を「誤嚥性肺炎」といいます。嚥下機能は加齢と共に低下するため、高齢者は誤嚥性肺炎を発症するリスクが高くなります。また嚥下の障害がおきうる脳梗塞やパーキンソン病などの神経疾患のある方の場合は、誤嚥性肺炎のリスクがより高くなります。
予防には、口をつきだしたり横にひいたり、顎をうごかしたり舌を動かすような、いわゆる「嚥下訓練」を日常的に行うのが一つです。また口腔内を常に清潔にたもち、食べ物の残りかすや細菌を除去する「口腔ケア」も有効であることが報告されています。またどうしても誤嚥をしてしまう方については食事をペースト状にしたりとろみをつけたりするというのも一つの方法です。
また誤嚥しやすい方は誤嚥をしてもむせたりすることがない場合もあるため、痰が絡んだり、咳がふえたり急に発熱がみられたりする場合、誤嚥性肺炎の可能性があります。そのような時は、はやめに病院を受診することをお勧めいたします。
(2024年10月23日 近郊通し版「教えて!ドクター Q&A」掲載)