2025年11月28日

Q「喫煙でダメージを受けた肺は、禁煙後どの程度まで回復する・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 長年の喫煙でダメージを受けた肺は、禁煙後どの程度まで回復するものなのでしょうか? 完全に元に戻ることはないのですか?

A) 「タバコ」は嗜好品ですが、体にとっては有害物質以外のなにものでもありません。そして喫煙によって様々な健康被害がおきることは今や常識となっているにもかかわらず、意外にも「禁煙すれば大丈夫」と考えている方が多いものです。
 残念なことに「喫煙による肺へのダメージ」は完全に元に戻ることはありません。喫煙と関連性の高い肺の疾患で代表的なものに「肺がん」があります。肺がんは喫煙開始年齢が早いほど発症リスクが高くなります。その理由は一生で吸うタバコの総本数と肺がん発症の関連性が高いと言われているためです。同じ理論でいえば、喫煙者でも早く禁煙すればするほど肺がん発症リスクはさがることになります。これまでの統計から禁煙後10年で、肺がんの発症リスクは喫煙者の約半分に減るとは考えられています。ただし10年以上禁煙継続できていても非喫煙者と同等になることはありません。
 次に喫煙と関連性の深い肺の疾患で「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」があげられます。喫煙による慢性的な炎症にともなって肺の構造変化として「肺気腫」が引き起こされ、肺機能上閉塞性障害がみられるようになり、慢性的な「せき」「たん」や動いた時の「息切れ」が症状として現れます。肺気腫性の変化、肺機能の低下は加齢によっても進行することから、禁煙しても元にもどることはなくむしろ禁煙後も悪化していきます。ただし喫煙を継続するよりは悪化のスピードは遅くなります。
 元に戻らないと言っても禁煙する意味がないわけではありません。できるかぎり早く禁煙したほうが体にとっていいことは間違いないのです。


(2025年11月28日 市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)



posted by けやき内科 at 05:00| 教えて ドクターQ & A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする