2019年12月25日

Q「よく高齢者の死因で「肺炎」が挙げられますが・・・」

教えてドクター2.jpgQ) よく高齢者の死因で「肺炎」が挙げられますが、死にいたるイメージのない病気です。高齢者の場合は肺炎にかかると通常とは違う症状があるのでしょうか。

A) 「肺炎」は細菌等の病原体が肺の中に侵入して炎症を起こすことで生じる感染性疾患で、通常はウイルスの上気道感染(いわゆる風邪)に引き続いて起こります。誰でもなりうる一般的な疾患であり入院を必要としない軽症の肺炎の場合は外来通院で十分に治癒が望めますが、中には入院治療を必要とし場合によっては集中治療室への入室も必要となる重症の肺炎も存在します。重症の場合は当然死亡率も高くなるわけですが、高齢者の場合は重症となりうる要因がいくつか存在します。そもそも高齢であるため、体力的に若い人に比べて劣っている点が挙げられます。次に年齢とともに糖尿病や心疾患などの肺炎の重症化に関与しうる疾患を有している人の割合も増えてきます。中には「脳梗塞」等によって嚥下機能が低下している場合もあり、食べ物や消化液を気道に「誤嚥」することによって引き起こされる「誤嚥性肺炎」は高齢者の死亡につながる代表的な肺炎です。また高齢者の場合一度肺炎に罹患すると身体機能が低下し回復に長期間要する場合も多く、肺炎を繰り返す要因ともなり得ます。このような事項が高齢者における肺炎の死亡率を高くする因子なのです。


(2019年12月25日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2019年12月05日

Q「インフルエンザの予防接種をしようと思っていたところに妊娠がわかりました・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 今年もインフルエンザの予防接種をしようと思っていたところに妊娠がわかりました。この場合、予防接種はやめた方がいいでしょうか。ほかに予防接種をやめておいたほうがいい症状はありますか。

A) 「妊娠したら薬は飲まないほうがいい」と考える方は多く、胎児への悪い影響がでないかを心配しての発想と考えます。確かに胎児に良くない影響を及ぼす薬剤が存在することは事実ですが、そのような報告のない薬剤も多く、薬剤使用によるメリット・使用しないことによるデメリットなどよく考えて判断すべきです。
 インフルエンザワクチンに関しては、これまでに流産や先天異常の発生リスクが高くなったという報告は特にありません。一方海外では妊娠中にインフルエンザに罹患すると重症化のリスクが高いという報告もあり、国際的に見て妊婦はインフルエンザ予防接種の優先対象となっています。また妊婦以外にも高齢者や免疫機能の低下する疾患を有している方、呼吸器疾患を有している方などがインフルエンザ予防接種の優先対象とされています。
 インフルエンザ予防接種は、明らかな発熱を認めたり重篤な急性疾患に罹患している場合は避けるべきであると考えられています。またアレルギーがもともとあり、特にインフルエンザ予防接種によりアナフィラキシー反応を起こしたことがある場合は接種すべきではありません。


(2019年12月5日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2019年11月06日

Q「健康診断で肺に影がみつかり・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 健康診断で肺に影がみつかり、二次検診でCTをとってもらいました。「肺がん」の疑いがあるため大きな病院に行くように言われましたが、とても不安です。今後どういう検査や治療を受けるのでしょうか。

A) まず本当に「肺がん」なのかどうかを確定するのが最も重要です。通常はその影の部分に癌細胞があるのかどうかを確認する事になりますが、「肺がん」の場合は気管支鏡を用いて検査をすることが一般的です。気管支鏡はカメラのついた直径6mmほどの管(ファイバースコープ)で、胃カメラと同じ内視鏡の一つです。口から入れて喉から気管支の方に通し、マジックハンドのついたピンセットのような器具(鉗子)を気管支鏡の中を通して、影の部分から細胞をつまんでとってきます。とってきた細胞を顕微鏡で見て、癌細胞があるのかどうか確認しますが、通常は検査結果が出るのに数日を要します。もし癌細胞が検出されれば診断は「肺がん」で確定となり、次に実施するのがMRIやCT、シンチグラフィーなどの全身精密検査です。全身の検査を行う事で転移がないか等を調べ、肺がんとしての進行状況を判断する事になります。治療は「手術」「放射線」「化学療法(抗がん剤)」が三本柱となりますが、進行度によりどの治療を選択するか、あるいは組み合わせるかが異なります。様々な不安があるとは思いますが担当医としっかり相談して、まずは検査からおすすめください。


(2019年11月6日 中日新聞市民北版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2019年09月11日

Q「から咳が止まらず困っています・・・」

教えてドクター2.jpgQ) から咳が止まらず困っています。ただの風邪でしょうか。夏風邪のあと、もう3週間程続いており辛いです。

A) 一般的に咳の原因として考えられる疾患としては、「風邪」をはじめとする感染症が最も多いです。ただ「風邪」というのは、のどや鼻の粘膜への病原体の感染に伴う咳・咽頭痛・鼻水などの諸症状を伴う症候群を指しますが、病原体のほとんどはウイルスであり通常は単なる「風邪」で3週間咳が持続する事は稀です。感染症で長期間咳が続いている場合、「マイコプラズマ」「百日咳」なども疑う必要があり、この場合血液検査等の検査を実施しないと確定診断は困難です。また咳以外の「倦怠感」「発熱」といった感染症に特徴的な症状が持続していない状況であれば、感染症以外の呼吸器疾患の可能性を考えるべきかと思います。もともと花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー素因のある方ですと、「咳喘息」「気管支喘息」「アトピー咳嗽」などのアレルギー性の呼吸器疾患に伴う症状が「風邪」をきっかけに顕在化する事も少なくありません。タバコを吸われる方であれば、喫煙によって生じる慢性呼吸器疾患である「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」が潜在していた可能性も否定できません。他にも様々な疾患の可能性はありますので、一度呼吸器専門医の受診をお勧めします。


(2019年9月11日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2019年08月29日

Q「2歳になる息子のいびきがすごく・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 2歳になる息子のいびきがすごく、風邪を引いてなくてもかくので気になっています。何か病気と関わりがあるのでしょうか。

A) 「いびき」は「睡眠時無呼吸症候群」の主症状です。大人のいびきが「肥満」「メタボリックシンドローム」などの生活習慣病が主因であるのに対し、小児の場合は口腔や鼻腔などの形態学的な問題が主因であるのが特徴です。具体的には「アデノイド増殖症」や「口蓋扁桃肥大」が該当しますが、一般にアデノイドは3〜6歳、口蓋扁桃は5〜7歳で最大となり学童期の後半には次第に退縮がみられますので、小児のいびきがみられるのは2〜6歳が多いと言われています。この時期は成長・発達に重要な時期でもあり、無呼吸が「成長障害」「低身長」につながる可能性もあることから注意が必要です。
お子さんの胸を観察していただき、もしいびきに伴って胸が陥没しているような状況(陥没呼吸)であれば要注意です。他にも起床時不機嫌、日中の長時間の昼寝、落ち着きのなさ、多動、攻撃的な行動、集中力の欠如などが無呼吸に伴ってみられうる症状とされています。もしお子さんがこれらに該当するようであれば、一度無呼吸を専門にしている診療所・病院か耳鼻咽喉科を受診する事をお勧めいたします。


(2019年8月29日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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