2024年06月25日

Q「毎年、胸部レントゲン写真による肺がん検診を受けて・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 毎年、胸部レントゲン写真による肺がん検診を受けています。早期発見のために、ほかにどんな検査を受けるのがよいですか。

A) 名古屋市の肺がん検診でも胸部レントゲンで評価していますが、喫煙歴が長く喫煙本数も多かった方は喀痰細胞診も併用して実施されています。一方で人間ドックなどではレントゲンでは小さい病変の描出が難しいと考えられるため、胸部CTで評価する場合もあります。
 なぜ肺がん検診で胸部CTをしないのかというと、レントゲンに比べコストや時間がかかること、市民検診のようにより多くの人に受けていただくためには診療所レベルではCTを設備していない場合も多いこと、CTの方が放射線の被曝量が多いこと、などが挙げられます。また、がん検診の最も重要な課題である「死亡率の減少」という意味では、現行のレントゲンと喀痰検査の併用で十分な効果が得られているという報告もあります。一方で「早期発見」という意味でいうと、レントゲンはCTに劣るという点で否めないため、検診にCTを用いようという試みもされていることは事実です。
 上記もご理解の上、ご自身の不安が大きいと言うことであれば、胸部CTを人間ドックなどで受けられてはいかがでしょうか。


(2024年6月25日 近郊通し版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2024年05月24日

Q「気胸体型だとよく言われます・・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 20代男性です。気胸体型だとよく言われます。気胸になるとどのような症状が出るのでしょうか。

A) 「気胸」という病気は、肺がなんらかの原因でパンクしてしまい空気がもれ、結果として肺がおさまっている「胸腔」の中に空気がたまる病気です。肺気腫や肺癌などの病気に伴って起きるような、原因の明らかな気胸を「続発性気胸」と言い、明らかな原因がなく起こる気胸を「自然気胸」と言います。自然気胸は「20歳前後の痩せ型の長身の男性」におきやすいと言われています。
 「気胸」の症状で頻度の高いものは「胸の痛み」です。通常「肺」そのものには痛みを感じる神経がないので痛くはありませんが、気胸になると肺を包んでいる「胸膜」が傷害されるため、痛みが起きます。特に呼吸で胸膜が刺激され、痛みが増強します。また痛み以外には、胸腔内に空気がたまって肺が十分に膨らむことができなくなり、結果として呼吸がうまくできなくなくて「息苦しさ」を感じるようにもなります。また胸腔内の空気が過剰にたまって肺や心臓・血管などを圧迫することを「緊張性気胸」といいますが、この場合は呼吸困難やショックに陥る場合もあり、命に関わる状況ともなりうることから注意が必要です。疑わしい症状があれば早めの受診をお勧めいたします。


(2024年5月23日 市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2024年04月24日

Q「なかなか自分だけでは禁煙できないので・・・」

教えてドクター2.jpgQ) なかなか自分だけでは禁煙できないので禁煙治療をしようと思いクリニックへ行くと、薬品不足で治療中止していると言われてしまいました。ほかに治療できる方法はないでしょうか。

A) 現在「禁煙外来」で使用する禁煙補助薬である「バレニクリン酒石酸塩(以下バレニクリン)」が長期欠品しており、そのため「禁煙治療」を中止している医療機関も少なくありません。しかしながらバレニクリン以外の禁煙補助薬として「ニコチン貼付薬(以下ニコチンパッチ)」があり、ニコチンパッチを用いて「禁煙外来」を実施している医療機関もありますので、問い合わせをしてみてはいかがでしょうか。
 バレニクリンと異なりニコチンパッチは薬剤の成分としてニコチンを含んでおり、禁煙外来通院期間もバレニクリンが12週間であるのに対し、ニコチンパッチは8週間(保険上は10週間まで投与可能)と短いですが、厚生労働省の禁煙外来治療実態調査によれば禁煙外来5回通院者の4週間禁煙率はバレニクリン 79.1%、ニコチンパッチ 76.9%と大きな差はありませんでした。また現在市販の禁煙補助薬「ニコチンガム」もありますので、病院を受診せずに市販薬を用いてご自身で禁煙に取り組むのも一つの方法です。ただしニコチンパッチやニコチンガムは成分としてニコチンを含むため、うまく禁煙できず漫然と使用すると健康上よくありませんので注意が必要です。
 何より大事なのは「禁煙しよう」というご自身の意思だと思いますので、検討いただいて前向きに取り組まれることをお勧めします。


(2024年4月24日 市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2024年03月27日

Q「クループとは何でしょうか?・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 「クループ」とは何でしょうか?子どもを救急に連れてきたらそう言われました。明日小児科を受診するように言われましたがどうすればいいでしょうか。

A) 「クループ」とはウイルス感染によって引き起こされる喉頭気管気管支炎で、疾患の名前ではなく特定の呼吸器症状の総称(症候群)です。鼻水や熱という一般的な風邪症状ではじまり、犬が吠えるようなオットセイの鳴き声のような咳が出たり、呼吸するときのキューキューという音(吸気性喘鳴)を特徴とします。生後6ヶ月〜3歳の小児に主にみられ、原因となるウイルスとしてパラインフルエンザウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルスなどがあげられます。
 通常の風邪とは異なる症状のため心配される方も多いですが、軽症の場合は自宅で水分をしっかりとって安静にしていただければ、3〜4日で回復が見込めます。ただし呼吸障害を起こしているような重篤な病状の場合、アドレナリン吸入やステロイド投与に加え、酸素投与が必要となる場合もあり入院を勧められることもあります。
 今回は救急で「軽症」と診断され一旦帰宅して大丈夫と判断されたのだと思います。ただし救急はあくまで一時的な対応をする役割ですので、経過観察も含め翌日に小児科を受診することが必要です。悪化していれば翌日受診時に入院が必要と判断される可能性もあります。


(2024年3月27日 近郊通し版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2024年02月26日

Q「毎年花粉症に悩まされています。舌下免疫療法が・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 毎年花粉症に悩まされています。「舌下免疫療法」が気になっているのですが、花粉が飛散している時期は治療できないと言われました。なぜですか?

A) 「舌下免疫療法」はアレルギー症状を引き起こす物質「アレルゲン」を舌の下に少量ずつ薬として投与し、身体を徐々に慣れさせる治療法です。治療効果としてはアレルギー反応が起こらない、起きても軽い症状で済むようになります。花粉症の舌下免疫療法は「スギ花粉」を成分として使用するため、スギ花粉が飛散している時期に開始しても効果が得られません。通常は花粉が飛散していない5月から12月初めまでの間に治療を開始します。
 ただ治療開始後はスギ花粉の飛散時期も含め、年間を通じて薬を服用する必要があります。また少なくとも3〜5年ほど治療を継続する必要があり、途中でやめてしまうと、また初めから開始することになります。
 副作用がでる場合もあります。唇や口の中が腫れたりすることがあり、また稀ですが「アナフィラキシーショック」という重篤な副作用が起きうることも知られています。またもともと喘息がある場合、喘息の悪化が誘発される可能性がある事も知られています。
 副作用の可能性や治療の継続性も含めて、治療を受けるかどうか検討することをお勧めいたします。


(2024年2月26日 市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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