2020年04月16日

Q「たばこをやめたいと思っていますが・・・」

教えてドクター2.jpgQ) たばこをやめたいと思っていますが、やめられません。禁煙外来を受診すれば簡単にやめられるでしょうか。また禁煙外来ではどのようなことをするのでしょうか。

A) まず「禁煙外来」ですが、「禁煙外来を受診さえすれば誰でも簡単に禁煙できる」というものではありません。「禁煙外来」では「ニコチン依存症」と診断された方を対象に「禁煙補助薬」を使用しながら定期的に通院して禁煙をすすめていきますが、「禁煙補助薬」の作用は「たばこをやめた際に起きるイライラ感」を抑えるのが主であり、「禁煙しようとした時に起きる問題を和らげる」という性質のものなのです。したがって患者さんご自身の「禁煙したい」という気持ちが最も重要であり、「薬を飲めば自然にやめられる」というものではなく「薬の力を借りて自分の意思で禁煙する」とお考えください。
 喫煙は「肺がん」などの悪性疾患、「心筋梗塞」「脳梗塞」等の動脈硬化に伴う心血管疾患の危険因子であり、間接喫煙による家族や同居者の健康被害も明らかとなっています。最近では喫煙者の新型コロナウイルス肺炎の死亡率は、非喫煙者に比べて10倍以上高いという報告もあります。
 喫煙によるデメリットを十分に理解した上で、禁煙したいという十分な意志のもとでも禁煙できない状況であれば、一度禁煙外来受診をお勧めいたします。


(2020年4月16日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)
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2020年04月12日

Q「持病に気管支喘息があるのですが・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 持病に気管支喘息があるのですが、新型コロナウイルスにかかると重症化するのでしょうか。とても不安ですが何か対策はありますか。

A) 「呼吸器疾患があると新型肺炎は重症化する」という報道もされていますのでご不安になられるのはよくわかります。確かにこれまでの報告を見ると「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」や「間質性肺炎」のような慢性呼吸器疾患がある方は重症化のリスクが高いとされています。その一方で「気管支喘息」については、年齢層が小児から高齢者まで非常に幅が広いのと、喫煙されている方は「COPD」の合併もありうるため一概に言えない部分はありますが、明らかな「重症肺炎」のリスクとなるかどうかは現時点ではわからないようです。ただ「気管支喘息」そのものが悪化する可能性は高いと考えられています。そもそも喘息は風邪やインフルエンザなどのウイルス感染で悪化することはよくあり、新型コロナウイルスも同様なのです。したがって新型コロナウイルスによる喘息の増悪を予防するために重要なのは「吸入ステロイド薬を中心とした長期管理薬をきちんと継続する」ということです。「調子が悪い時のみ喘息治療をしている」という場合は、新型コロナウルス感染時の喘息悪化のリスクは高いと言えますので、症状が落ち着いていてもきちんと通院治療を継続する事が一番の対策だと思います。


(2020年4月12日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2020年03月17日

Q「この頃痰に血が混ざります・・・」

教えてドクター2.jpgQ) この頃痰に血が混ざります。のどが痛くつらいです。風邪かと思っていたのですが、血が混ざっているのが心配です。病院へ行くべきでしょうか。

A) 「のどが痛く血痰がでる」とのことですので、のどに問題が起きている可能性が高いと考えます。通常「風邪」と考えるのはウイルスによる上気道感染ですが、単なるウイルス感染で血痰がでるのは稀です。感染症であれば「化膿性扁桃腺炎」等の細菌感染症を起こしている可能性もあり、細菌感染であれば抗生物質の投与が必要ですので病院の受診は必須です。ただ何を根拠に「風邪」と考えてみえたのかがわかりませんので、全身倦怠感や鼻水などの感染症に特徴的な他の症状がなく「のどが痛い」=「風邪」と考えてみえたのであれば、そもそも感染症ではない可能性も考えられます。「のど」と表現されるのは「扁桃腺」のみではなく「咽頭」、場合によっては「喉頭」まで該当することがありますが、同部に腫瘍などができる場合もあり注意が必要です。特に喫煙習慣のある方は「がん」の危険因子であると考えられ、統計学的にみて「下咽頭がん」や「喉頭がん」の90%以上が喫煙者であったことが報告されています。他にも「過度の飲酒」も危険因子になることが知られています。いずれにしても病院を早めに受診することをお勧めいたします。


(2020年3月17日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2019年12月25日

Q「よく高齢者の死因で「肺炎」が挙げられますが・・・」

教えてドクター2.jpgQ) よく高齢者の死因で「肺炎」が挙げられますが、死にいたるイメージのない病気です。高齢者の場合は肺炎にかかると通常とは違う症状があるのでしょうか。

A) 「肺炎」は細菌等の病原体が肺の中に侵入して炎症を起こすことで生じる感染性疾患で、通常はウイルスの上気道感染(いわゆる風邪)に引き続いて起こります。誰でもなりうる一般的な疾患であり入院を必要としない軽症の肺炎の場合は外来通院で十分に治癒が望めますが、中には入院治療を必要とし場合によっては集中治療室への入室も必要となる重症の肺炎も存在します。重症の場合は当然死亡率も高くなるわけですが、高齢者の場合は重症となりうる要因がいくつか存在します。そもそも高齢であるため、体力的に若い人に比べて劣っている点が挙げられます。次に年齢とともに糖尿病や心疾患などの肺炎の重症化に関与しうる疾患を有している人の割合も増えてきます。中には「脳梗塞」等によって嚥下機能が低下している場合もあり、食べ物や消化液を気道に「誤嚥」することによって引き起こされる「誤嚥性肺炎」は高齢者の死亡につながる代表的な肺炎です。また高齢者の場合一度肺炎に罹患すると身体機能が低下し回復に長期間要する場合も多く、肺炎を繰り返す要因ともなり得ます。このような事項が高齢者における肺炎の死亡率を高くする因子なのです。


(2019年12月25日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2019年12月05日

Q「インフルエンザの予防接種をしようと思っていたところに妊娠がわかりました・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 今年もインフルエンザの予防接種をしようと思っていたところに妊娠がわかりました。この場合、予防接種はやめた方がいいでしょうか。ほかに予防接種をやめておいたほうがいい症状はありますか。

A) 「妊娠したら薬は飲まないほうがいい」と考える方は多く、胎児への悪い影響がでないかを心配しての発想と考えます。確かに胎児に良くない影響を及ぼす薬剤が存在することは事実ですが、そのような報告のない薬剤も多く、薬剤使用によるメリット・使用しないことによるデメリットなどよく考えて判断すべきです。
 インフルエンザワクチンに関しては、これまでに流産や先天異常の発生リスクが高くなったという報告は特にありません。一方海外では妊娠中にインフルエンザに罹患すると重症化のリスクが高いという報告もあり、国際的に見て妊婦はインフルエンザ予防接種の優先対象となっています。また妊婦以外にも高齢者や免疫機能の低下する疾患を有している方、呼吸器疾患を有している方などがインフルエンザ予防接種の優先対象とされています。
 インフルエンザ予防接種は、明らかな発熱を認めたり重篤な急性疾患に罹患している場合は避けるべきであると考えられています。またアレルギーがもともとあり、特にインフルエンザ予防接種によりアナフィラキシー反応を起こしたことがある場合は接種すべきではありません。


(2019年12月5日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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