2024年03月27日

Q「クループとは何でしょうか?・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 「クループ」とは何でしょうか?子どもを救急に連れてきたらそう言われました。明日小児科を受診するように言われましたがどうすればいいでしょうか。

A) 「クループ」とはウイルス感染によって引き起こされる喉頭気管気管支炎で、疾患の名前ではなく特定の呼吸器症状の総称(症候群)です。鼻水や熱という一般的な風邪症状ではじまり、犬が吠えるようなオットセイの鳴き声のような咳が出たり、呼吸するときのキューキューという音(吸気性喘鳴)を特徴とします。生後6ヶ月〜3歳の小児に主にみられ、原因となるウイルスとしてパラインフルエンザウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルスなどがあげられます。
 通常の風邪とは異なる症状のため心配される方も多いですが、軽症の場合は自宅で水分をしっかりとって安静にしていただければ、3〜4日で回復が見込めます。ただし呼吸障害を起こしているような重篤な病状の場合、アドレナリン吸入やステロイド投与に加え、酸素投与が必要となる場合もあり入院を勧められることもあります。
 今回は救急で「軽症」と診断され一旦帰宅して大丈夫と判断されたのだと思います。ただし救急はあくまで一時的な対応をする役割ですので、経過観察も含め翌日に小児科を受診することが必要です。悪化していれば翌日受診時に入院が必要と判断される可能性もあります。


(2024年3月27日 近郊通し版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2024年02月26日

Q「毎年花粉症に悩まされています。舌下免疫療法が・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 毎年花粉症に悩まされています。「舌下免疫療法」が気になっているのですが、花粉が飛散している時期は治療できないと言われました。なぜですか?

A) 「舌下免疫療法」はアレルギー症状を引き起こす物質「アレルゲン」を舌の下に少量ずつ薬として投与し、身体を徐々に慣れさせる治療法です。治療効果としてはアレルギー反応が起こらない、起きても軽い症状で済むようになります。花粉症の舌下免疫療法は「スギ花粉」を成分として使用するため、スギ花粉が飛散している時期に開始しても効果が得られません。通常は花粉が飛散していない5月から12月初めまでの間に治療を開始します。
 ただ治療開始後はスギ花粉の飛散時期も含め、年間を通じて薬を服用する必要があります。また少なくとも3〜5年ほど治療を継続する必要があり、途中でやめてしまうと、また初めから開始することになります。
 副作用がでる場合もあります。唇や口の中が腫れたりすることがあり、また稀ですが「アナフィラキシーショック」という重篤な副作用が起きうることも知られています。またもともと喘息がある場合、喘息の悪化が誘発される可能性がある事も知られています。
 副作用の可能性や治療の継続性も含めて、治療を受けるかどうか検討することをお勧めいたします。


(2024年2月26日 市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2023年12月24日

Q「今年はインフルエンザが流行っているそうで・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 今年はインフルエンザが流行っているそうで、例年ならワクチン接種はしないのですが今年はしたほうがいいか迷っています。今からでも接種は間に合いますか?

A) 「したほうがいいか、しなくてもいいか」の二択でいうのであれば、間違いなく「したほうがいい」と思います。確かに今年は「インフルエンザ流行入り」が9月とかなり早く、「インフルエンザ警報」が発令されたのも11月はじめで、12月となった現在も日本全国的に警報レベルの感染者数が報告されています。新型コロナウイルスが流行していた直近3年間はインフルエンザの流行はほぼみられませんでしたが、4年前までは「流行入り」が11月末から12月、「警報レベル」に到達するのがお正月くらいでしたので、今年に関しては異例のスピードで感染拡大が起きていると言って良いでしょう。ここまで早いスピードで感染が広がっている一因としては、コロナが5類になりマスクをしない方が増えたことが挙げられるかもしれません。
 インフルエンザワクチンの意義は「自身が感染した際の症状を抑える」「他者への感染、伝播を防ぐ」という二点が挙げられます。また通常ワクチンの効果発現がみられるのに2週間ほど、効果が持続するのが5ヶ月ほどといわれています。今からでも十分意味がありますので、ぜひ接種をしてください。


(2023年12月22日 近郊通し版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2023年12月21日

Q「COPDだと冬の感染症対策を念入りに行う必要があると・・」

教えてドクター2.jpgQ) COPDだと冬の感染症対策を念入りに行う必要があると聞きましたが、なぜでしょうか。

A) COPD(慢性閉塞性肺疾患)は主に喫煙によって引き起こされる気道の炎症性疾患です。慢性的な「咳」や「痰」、「息切れ」を主な症状としますが、かなり病状が進行するまでほとんど症状が出ない場合もあります。また通常は加齢とともに病状は進行していきますが、風邪などの感染症をきっかけに、病状はさらに一段階悪化した状況となることも知られています。
 一方、冬場の感染症の代表的なものに「インフルエンザ」や「肺炎」がありますが、基礎疾患がある方は重症化することが知られており、その「基礎疾患」の代表的な疾患がCOPDです。また「新型コロナウイルス」についても「喫煙者」や「COPD」の方の重症化リスクが高いことはみなさんご存知かと思います。
 このようにCOPDは感染症の合併に伴って「COPDの病状が一段階悪化する」ということと、COPDが「感染症の重症化リスクになる」という二つの側面があるのです。感染対策としては、インフルエンザや肺炎球菌、新型コロナウイルスなど予防接種があるものは積極的にうけ、また外出時のうがい・手洗いを欠かさないよう、また睡眠を十分にとるなど体調管理に注意することも重要です。


(2023年12月21日 市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2023年11月25日

Q「「風邪をこじらせて肺炎になる」とよく聞きますが・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 「風邪をこじらせて肺炎になる」とよく聞きますが、どういう事でしょうか?

A) 「肺炎」は「細菌」や「ウイルス」などの病原体が、鼻や喉を通過して気管支のさらに奥の肺まで侵入して繁殖し、肺で炎症を引き起こすことによる疾患です。しかしもともと人間の喉や鼻の粘膜には病原体をブロックする働きがあるため、そんなに簡単に病原体が肺の奥まで侵入することはできません。
 一方で「風邪」というのは主に「ウイルス」の感染によって引き起こされるもので、ウイルスは鼻から喉の粘膜を中心に感染・繁殖して炎症を起こすため、喉の痛みや鼻汁・鼻閉といった症状がみられます。また鼻や喉の症状のみではなく、喉が痛いこともあって食欲も低下し、発熱に伴って体力も消耗します。
 「風邪をこじらせて肺炎に」というのは、「風邪」によって鼻や喉の炎症が起きているために、本来ブロックされるはずの病原体が容易に通過して肺にまで到達してしまい、かつ体力が低下しているため免疫力も低下して肺で繁殖しやすい状況となり、「肺炎」が起きやすくなる事を指します。もちろん「風邪」をひくと必ず「肺炎」になるわけではありません。「風邪」の段階で治まるように早めに体力の回復に努める事が重要なのです。


(2023年11月25日 市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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