2020年12月08日

Q「60歳を過ぎてから風邪をひくと息切れを感じるように・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 60代女性です。60歳を過ぎてから風邪をひくと階段や坂道で息切れを感じるようになりました。普段は何ともないので今まで特に病院で相談したことはありませんでしたが、年々ひどくなってきているようにも思います。どうしたらいいでしょうか。

A) 息切れの症状をきたす疾患は様々ですが、一つには心肺機能が低下するような何らかの疾患がある可能性が考えられます。そのような疾患があると、風邪をひいた際に負荷がかかり症状が顕在化するのです。
まずは心臓の働きが低下するような心疾患の可能性があげられますので、心臓弁膜症や心房細動などから慢性心不全となっていないか、循環器科にて精密検査を受けることをお勧めします。もともと高血圧などの心臓に負担がかかるような疾患がある場合には、より疑われます。次に肺の機能が低下するような疾患も考えられますので、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺線維症などから慢性呼吸不全となっていないか、呼吸器内科で精密検査を受けるのもお勧めです。喫煙されていたのであれば、呼吸器疾患の可能性はより高くなります。もちろん心機能・呼吸機能、両方に問題が起きている可能性も否定できませんし、心肺機能の低下をきたす疾患以外にも、貧血を伴うような血液疾患でも同様な症状をきたす場合もあります。何れにせよ普段は何ともなかったとしても、病院で精密検査を受けることをお勧めいたします。


(2020年12月8日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


posted by けやき内科 at 05:00| 教えて ドクターQ & A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年11月13日

Q「4歳になる息子が2歳ぐらいまでひどいいびきを・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 4歳になる息子がいるのですが、2歳ぐらいまでひどいいびきをかいていました。今は以前ほどではないのですが、子供のいびきは良くないと聞きました。何が良くないのか詳しく知りたいです。

A) 「いびき」は「睡眠時無呼吸症候群」の主症状です。大人のいびきが「肥満」「メタボリックシンドローム」などの生活習慣病が主因であるのに対し、小児の場合は口腔や鼻腔などの形態学的な問題が主因であるのが特徴です。具体的には「アデノイド増殖症」や「口蓋扁桃肥大」が該当しますが、一般にアデノイドは3〜6歳、口蓋扁桃は5〜7歳で最大となり学童期の後半には次第に退縮がみられますので、小児のいびきがみられるのは2〜6歳が多いと言われています。この時期は成長・発達に重要な時期でもあり、無呼吸が「成長障害」「低身長」につながる可能性があります。
今は以前ほどではないとの事ですが、もしいびきに伴ってお子さんの胸が陥没しているような状況(陥没呼吸)であれば要注意です。他にも起床時不機嫌、日中の長時間の昼寝、落ち着きのなさ、多動、攻撃的な行動、集中力の欠如などが無呼吸に伴ってみられうる症状とされています。もしお子さんがこれらに該当するようであれば、一度無呼吸専門外来か耳鼻咽喉科を受診する事をお勧めいたします。


(2020年11月13日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

posted by けやき内科 at 05:00| 教えて ドクターQ & A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月27日

Q「そろそろインフルエンザが出だす季節になってきますが・・・」

教えてドクター2.jpgQ) そろそろインフルエンザが出だす季節になってきますが、今年は新型コロナが流行していることもあって、とても心配です。インフルエンザの予防接種も「高齢者は早くうけた方がいい」と聞きますが、早くうけた方がよく効くのでしょうか?

A) 確かに寒くなってくるにつれて新型コロナとインフルエンザが同時流行する可能性が懸念されており、厚生労働省も今年はインフルエンザの予防接種をより推奨し、ワクチンも過去5年間で最大量の約6300万人分が確保されているとのこと。現状新型コロナは確立された治療法がなく、確定診断も全ての医療機関でできるわけではありません。一方「コロナ」も「インフルエンザ」も主な症状は「発熱」であるため、症状だけでは見分けがつかないという問題もあります。また「インフルエンザ」は「迅速診断キット」がありますが、十分な感染対策をとらずに検査が行われ、万が一検査をうけた人が「コロナ」であった場合、かえって感染拡大の一因となってしまうと言われています。このような状況の中「インフルエンザワクチン」による予防が重要視され、コロナ感染拡大防止にもつながると考えられているのです。ただ「早く接種すればよく効く」という訳ではありません。あくまで「希望者が殺到した場合は、高齢者などリスクの高い方を優先して接種を」とご理解ください。


(2020年10月27日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

posted by けやき内科 at 05:00| 教えて ドクターQ & A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月07日

Q「からせきが3週間以上続きます・・・」

教えてドクター2.jpgQ) からせき(痰のないせき)が3週間以上続きます。特に寝入りばなに咳き込むことが多く、なかなか寝付けないこともあります。ただの風邪でしょうか。

A) 「せき」の原因で最も頻度が高いのは風邪をはじめとする「感染症」によるものですが、通常単なる「風邪」で3週間以上咳が続くことはありません。風邪から二次感染を起こして肺炎になってしまった場合に咳が長引くことはありますが、咳以外の発熱・痰といった症状も伴うことが多いように思われます。感染症であれば「マイコプラズマ」や「百日咳」といった「長引く咳」を特徴とする特殊なものを疑うべきです。また最近は同様の症状で「こんなに咳が続くのはコロナじゃないか」と受診される方も多いですが、コロナウイルス感染症で3週間以上症状が続いていれば、咳以外の重篤な症状が出ている可能性が高いと考えます。
 「咳」以外の「痰」「発熱」といった感染症に特徴的な症状がない場合は、感染症以外の疾患も疑うべきです。このような症状を呈する比較的可能性の高いものに「気管支喘息」や「咳喘息」といったアレルギー疾患が考えられます。もともと花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患のある方であれば一層疑う根拠となります。またこのような疾患は夜間に症状が悪化するのも特徴ですので、今回の場合は可能性としては高いように思われます。もし喘息であった場合、いったんおさまっても何度も繰り返して重症化する可能性もあるため早めに専門医を受診することをお勧めいたします。


(2020年8月7日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

posted by けやき内科 at 05:00| 教えて ドクターQ & A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月29日

Q「30年以上喫煙していた父が検査で肺気腫を指摘され・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 30年以上喫煙していた父が検査で肺気腫を指摘され、現在禁煙しています。もう60代なので、いくら禁煙しているとはいえ病気が進行したり、他の病気になったりしないか心配です。他に気をつけるべきことはありますか。

A) 「肺気腫」は長年の喫煙によって炎症とともに肺の構造が破壊される事で生じる病変で、現在病名としては「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」と呼ばれています。残念な事に禁煙しても治ることはありません。また経年的に悪化していきますので、禁煙しても徐々に病気としては進行していきます。COPDの病状把握として重要なのは、構造的変化としての肺気腫の程度のみではなく、機能的にどの程度悪化しているかどうかという点もありますので、通常は「肺機能検査」によって評価を行います。主な治療は気管支拡張剤の吸入ですが、どういった薬剤を選択するかは構造的悪化よりも機能的悪化の方が基準となります。また昨今は気管支喘息を合併した「ACO」かどうかが、病状の進行予測や治療薬の選択の上で重要と考えられていますので、その点についても判断が必要です。
 他の病気になったら心配とのことですが、健常者に比べ「肺癌」の合併率は高いと考えられており、定期的な経過観察が必要です。また肺炎やインフルエンザ、コロナウイルス罹患時の重症化因子の一つですので、予防接種を含む感染予防を心がけることも重要と言えるでしょう。


(2020年7月29日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


posted by けやき内科 at 05:00| 教えて ドクターQ & A | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする