2021年09月21日

Q「新型コロナウイルスのワクチンを接種すると熱が・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 新型コロナウイルスのワクチンを接種すると熱が出ることがあると聞きました。この場合は市販薬を服用し、療養すればよいですか?それとも医療機関に相談をした方が良いでしょうか?

A) 確かにコロナウイルスワクチン接種後に発熱の症状がみられる可能性はあります。一般的に1回目の接種よりも2回目の接種の方がその確率は高くなると言われています。ただワクチンによる発熱は接種後1〜2日以内に起きることが多いですが、熱があっても比較的お元気な状況であれば熱を下げなければいけないということはありません。水分を多めにとるようにしてお身体を休めていただければ良いと思います。
 もし発熱にともなって全身倦怠感が強いなど日常生活に支障がでるような状況であれば、もちろん市販の鎮痛解熱剤を使用していただいてもかまいません。またワクチンの副反応として比較的起きやすい症状としては発熱以外にも頭痛や関節痛などもありますが、市販薬で改善が得られない場合など、医療機関に相談しても何ら問題はありません。
 2日以上発熱が続いたり、ワクチン接種では起きないような咽頭痛や味覚障害・嗅覚障害などの症状がみられたりする場合には、新型コロナウイルス感染症を含む何らかの感染症が合併していたりする可能性もありますので、医療機関にご相談いただくことをお勧めいたします。


(2021年9月21日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2021年08月06日

Q「「喘息」と「肺炎」を見分けるには・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 「喘息」と「肺炎」を見分けるには、何が一番の違いになりますか。また「喘息」から「肺炎」になることがあるのか、「肺炎」に対して気をつけた方が良いことがあれば教えてください。

A) 「喘息」はアレルギー疾患であるのに対し「肺炎」は細菌やウイルスなどの病原体による「感染症」です。したがってこの2つの疾患の最も大きな違いは「感染症」に伴う典型的な全身症状、例えば「発熱」や「全身倦怠感」などの症状があるかどうか、ということになります。
 通常「喘息」は「感染症」ではないため「発熱」などの全身症状はみられず、「咳」「息苦しさ」「喘鳴」などの気道症状が主体です。ただ必ずしも症状のみでは見分けがつかない場合もありますので注意は必要です。例えば「発熱はなく咳が2週間ほど続く」というような症状で受診され、胸部レントゲンから「肺炎」と診断されるような場合があります。また「肺炎は治ったが咳が続く」というような状況で、呼吸機能検査やFeNO測定を実施して「気管支喘息」と診断されるような場合もあります。
 このように一概に症状のみでは見分けがつかない場合もありますため、レントゲンや採血、呼吸機能検査、FeNO測定などの検査を必要に応じて行い、判断する必要があるのです。また疾患として異なりますので「肺炎を契機に喘息症状が悪化する」ということはあっても、「喘息が原因で肺炎になる」ということはありません。
 「肺炎」にならないようにするには、日常的な手洗いなどの感染対策を行うことが重要と考えます。症状がながびき不安な状況がある場合には「呼吸器専門医」を受診することをお勧めいたします。


(2021年8月6日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2021年07月16日

Q「子供が小さい頃からアトピーがひどく・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 現在小学生の子供がいるのですが、小さい頃からアトピーがひどく通院していました。最近咳が続いて病院を受診したところアレルギー性の喘息と診断されました。だんだんアレルギーがひどくなっていくようで心配です。何か対処法はあるのでしょうか。

A) もともとアトピー性皮膚炎のあるお子さんが気管支喘息を発症するのは、さほど珍しいことではありません。アトピー性皮膚炎、気管支喘息に引き続いてアレルギー性鼻炎や結膜炎を発症する場合もあり、このように「アトピー素因」のある子供が年齢とともにいくつかの臓器で次々にアレルギー疾患を発症していく現象は「アレルギーマーチ」と呼ばれています。複数のアレルギー疾患があると「ひどくなっている」「重症になっている」ととらえがちですが、必ずしもそうではないとお考えください。小児のアトピーや喘息については適切な治療を行うことによって、治癒・寛解にもっていくことも可能と考えられています。複数のアレルギー疾患がある場合に重要なのは「同時に適切な治療を行なっていくこと」と考えられています。例えば「喘息の症状がひどいからまずは喘息の治療を」「アトピーがひどいからアトピーさえ良くなればいい」というような治療の進め方をすると、どちらも良くならない状況に陥ることがあります。一つの体の中で起きている問題であり、総合的に判断してコントロールできるように治療計画をたてていくことが重要です。それぞれの病状を正しく見極めて適切な治療を行なっていくために、アレルギー専門医を受診することをお勧めいたします。


(2021年7月15日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2021年05月28日

Q「70歳の父親が間質性肺炎の中の「特発性肺線維症」と言われました・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 70歳の父親が間質性肺炎の中の「特発性肺線維症(IPF)」と言われました。どのような病気でしょうか。

A) まず「間質性肺炎」ですが、これは肺の「間質」と言う部位に炎症をきたす肺炎の総称で、細菌やウイルスによる感染症である「肺炎」とは全く異なるものであり、関節リウマチや皮膚筋炎などの膠原病に伴うものや、薬剤の副作用として起きるもの、原因の特定できないもの等が挙げられます。原因の特定できない間質性肺炎は「特発性間質性肺炎」と呼ばれ、初期には無症状であることが多いですが病状の進行に伴い「息切れ」や「咳」等の症状を自覚するようになり、確立された治療法がない事から国の定める「指定難病」の一つとなっています。
現在「特発性間質性肺炎」は主要な6つの病型、稀な2つの病型および分類不能型に分類されていますが、頻度としては「特発性肺線維症(IPF)」が最も多く80〜90%を占めています。現在「IPF」を完治させる治療法はなく、ある程度進行した段階では「抗線維化薬」により病状の進行を緩やかにできる場合がありますが、効果には個人差があります。病状の進行に伴って呼吸不全が進行し、自宅で酸素吸入を行う「在宅酸素療法」が必要となる場合もあります。また時に急激に呼吸困難が出現する「急性増悪」がみられることもあります。診断されてからの平均生存期間は5年程度と言われていますが、人によって経過は様々であり一概には言えません。担当の医師にお父様の病状を詳細に確認することをお勧めいたします。


(2021年5月28日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2021年04月07日

Q「現在高血圧で通院していますが、「人間ドック」や「がん検診」は・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 現在高血圧で通院しています。診察の時に血液検査も時々していますが、「人間ドック」や「がん検診」は別で受けた方がいいのでしょうか?診察を受けていれば大丈夫でしょうか?

A) 確かに高血圧で通院していると定期的に血液検査を受けるとは思います。それは血圧が高いことにともなって腎臓や心臓の働きに問題がないかを調べたり、血圧が高くなる要因の一つである動脈硬化と関連してコレステロール値や尿酸値が上昇していないか、血糖値はどうか、肝機能に問題はないかなどを調べるのが目的です。要するに「高血圧に関連する何らかの問題が起きていないか」を調べるために検査をしているのです。一方「人間ドック」では血液検査以外にも胃カメラやCTや超音波など様々な検査をおこなう場合もあると思いますが、「全身に異常がないかを調べる」のが目的です。ただしもちろん「広く浅く」調べていると言っても良いので全ての異常が検出できるわけではなく、異常があった場合は「要精密検査」となり医療機関の受診を勧められます。また「がん検診」は脳腫瘍、胃がん、肺がん、大腸がんなど、「がん」に特化した検診ですので「人間ドック」とも位置づけが異なります。おこなう血液検査も「腫瘍マーカー」などの「がん」の発見を目的にした項目となるので、「人間ドック」のようにがん以外の病気の有無がわかるわけではありません。結論ですが、通院して定期的に血液検査をしていれば「人間ドック」や「がん検診」を受けなくても大丈夫と言うわけではないのです。


(2021年4月7日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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