2021年04月07日

Q「現在高血圧で通院していますが、「人間ドック」や「がん検診」は・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 現在高血圧で通院しています。診察の時に血液検査も時々していますが、「人間ドック」や「がん検診」は別で受けた方がいいのでしょうか?診察を受けていれば大丈夫でしょうか?

A) 確かに高血圧で通院していると定期的に血液検査を受けるとは思います。それは血圧が高いことにともなって腎臓や心臓の働きに問題がないかを調べたり、血圧が高くなる要因の一つである動脈硬化と関連してコレステロール値や尿酸値が上昇していないか、血糖値はどうか、肝機能に問題はないかなどを調べるのが目的です。要するに「高血圧に関連する何らかの問題が起きていないか」を調べるために検査をしているのです。一方「人間ドック」では血液検査以外にも胃カメラやCTや超音波など様々な検査をおこなう場合もあると思いますが、「全身に異常がないかを調べる」のが目的です。ただしもちろん「広く浅く」調べていると言っても良いので全ての異常が検出できるわけではなく、異常があった場合は「要精密検査」となり医療機関の受診を勧められます。また「がん検診」は脳腫瘍、胃がん、肺がん、大腸がんなど、「がん」に特化した検診ですので「人間ドック」とも位置づけが異なります。おこなう血液検査も「腫瘍マーカー」などの「がん」の発見を目的にした項目となるので、「人間ドック」のようにがん以外の病気の有無がわかるわけではありません。結論ですが、通院して定期的に血液検査をしていれば「人間ドック」や「がん検診」を受けなくても大丈夫と言うわけではないのです。。


(2021年4月7日 中日新聞なごや市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2021年03月16日

Q「50歳男性です。突然気管支喘息と診断されました・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 50歳男性です。突然気管支喘息と診断されました。小さい頃喘息もなく、アレルギーもありません。大人になってから気管支喘息が突然発症するものなのでしょうか。

A) 気管支喘息は幼児から高齢者まで幅広い年代の方にみられる疾患ですが、「こどもの病気」と思っている方が意外に多く「大人で喘息の人はこどもの頃から喘息」と考えてみえる方も多いです。一般的に「こどもの喘息(小児喘息)」は60%程度の方が適切な治療をすることにより治癒・寛解すると言われており、実は治る事が多い疾患なのです。小児喘息で治った人のうちおよそ30%程度の方は大人になってから再発すると言われてはいますが、「大人の喘息(成人喘息)」の方で小児喘息だった方はおよそ20〜30%程度であり、こどもの頃に喘息でなかった人の方が大半を占めると言っていいでしょう。しかも統計的には成人喘息のうち60%以上は40歳以降の発症ですので、50歳で突然気管支喘息と診断されてもなんら珍しいことではありません。
一方小児喘息と異なり成人喘息は現在の医療では完治は難しいと考えられています。しかしながらきちんと治療すれば80%以上の方は無症状の状態でコントロールできると言われていますので、ながく付き合うつもりで主治医の先生とよく相談しながら治療を続けていくことをお勧めいたします。


(2021年3月16日 中日新聞なごや市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2021年01月28日

Q「喘息治療中ですが、夜寝ている時に発作が起こることが多く・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 喘息治療中です。治療開始前に比べ症状は改善していますが夜寝ている時に発作が起こることが多く、不安で寝られません。寝ている時に起こるのは何か原因があるのでしょうか。

A) 「夜間の症状」は喘息によくみられる症状の一つで、特に珍しい事象ではありません。日中に比べて夜間に多い理由としては、「夜寝て朝起きる」という人のサーカディアンリズムによって夜間に副交感神経系が優位となることに伴い気道平滑筋の収縮が起きやすくなることや、「寝る」という姿勢により床や布団に蓄積したハウスダスト等のアレルゲンを吸引しやすい状況となることや、夜間・早朝の気温低下や室内空間の乾燥等による気道過敏性の亢進などがあげられます。ただ全ての人に当てはまるわけではなく夜間よりも日中の症状が多い場合もあります。
何れにしても「夜間の症状が残る」というのは、現在の治療効果が不十分であることを示唆しています。現在の治療内容がわかりませんので具体的な対処法を示すのは難しいですが、現在の治療を強化するというのも一つですし、寝室の環境整備(清掃等によるハウスダストなどのアレルゲン回避や、室温や湿度等の空調管理など)も一つかとも思われます。一度通院中の病院で担当の医師とよく相談されることをお勧めいたします。


(2021年1月28日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2020年12月08日

Q「60歳を過ぎてから風邪をひくと息切れを感じるように・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 60代女性です。60歳を過ぎてから風邪をひくと階段や坂道で息切れを感じるようになりました。普段は何ともないので今まで特に病院で相談したことはありませんでしたが、年々ひどくなってきているようにも思います。どうしたらいいでしょうか。

A) 息切れの症状をきたす疾患は様々ですが、一つには心肺機能が低下するような何らかの疾患がある可能性が考えられます。そのような疾患があると、風邪をひいた際に負荷がかかり症状が顕在化するのです。
まずは心臓の働きが低下するような心疾患の可能性があげられますので、心臓弁膜症や心房細動などから慢性心不全となっていないか、循環器科にて精密検査を受けることをお勧めします。もともと高血圧などの心臓に負担がかかるような疾患がある場合には、より疑われます。次に肺の機能が低下するような疾患も考えられますので、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺線維症などから慢性呼吸不全となっていないか、呼吸器内科で精密検査を受けるのもお勧めです。喫煙されていたのであれば、呼吸器疾患の可能性はより高くなります。もちろん心機能・呼吸機能、両方に問題が起きている可能性も否定できませんし、心肺機能の低下をきたす疾患以外にも、貧血を伴うような血液疾患でも同様な症状をきたす場合もあります。何れにせよ普段は何ともなかったとしても、病院で精密検査を受けることをお勧めいたします。


(2020年12月8日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2020年11月13日

Q「4歳になる息子が2歳ぐらいまでひどいいびきを・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 4歳になる息子がいるのですが、2歳ぐらいまでひどいいびきをかいていました。今は以前ほどではないのですが、子供のいびきは良くないと聞きました。何が良くないのか詳しく知りたいです。

A) 「いびき」は「睡眠時無呼吸症候群」の主症状です。大人のいびきが「肥満」「メタボリックシンドローム」などの生活習慣病が主因であるのに対し、小児の場合は口腔や鼻腔などの形態学的な問題が主因であるのが特徴です。具体的には「アデノイド増殖症」や「口蓋扁桃肥大」が該当しますが、一般にアデノイドは3〜6歳、口蓋扁桃は5〜7歳で最大となり学童期の後半には次第に退縮がみられますので、小児のいびきがみられるのは2〜6歳が多いと言われています。この時期は成長・発達に重要な時期でもあり、無呼吸が「成長障害」「低身長」につながる可能性があります。
今は以前ほどではないとの事ですが、もしいびきに伴ってお子さんの胸が陥没しているような状況(陥没呼吸)であれば要注意です。他にも起床時不機嫌、日中の長時間の昼寝、落ち着きのなさ、多動、攻撃的な行動、集中力の欠如などが無呼吸に伴ってみられうる症状とされています。もしお子さんがこれらに該当するようであれば、一度無呼吸専門外来か耳鼻咽喉科を受診する事をお勧めいたします。


(2020年11月13日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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