2019年09月11日

Q「から咳が止まらず困っています・・・」

教えてドクター2.jpgQ) から咳が止まらず困っています。ただの風邪でしょうか。夏風邪のあと、もう3週間程続いており辛いです。

A) 一般的に咳の原因として考えられる疾患としては、「風邪」をはじめとする感染症が最も多いです。ただ「風邪」というのは、のどや鼻の粘膜への病原体の感染に伴う咳・咽頭痛・鼻水などの諸症状を伴う症候群を指しますが、病原体のほとんどはウイルスであり通常は単なる「風邪」で3週間咳が持続する事は稀です。感染症で長期間咳が続いている場合、「マイコプラズマ」「百日咳」なども疑う必要があり、この場合血液検査等の検査を実施しないと確定診断は困難です。また咳以外の「倦怠感」「発熱」といった感染症に特徴的な症状が持続していない状況であれば、感染症以外の呼吸器疾患の可能性を考えるべきかと思います。もともと花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー素因のある方ですと、「咳喘息」「気管支喘息」「アトピー咳嗽」などのアレルギー性の呼吸器疾患に伴う症状が「風邪」をきっかけに顕在化する事も少なくありません。タバコを吸われる方であれば、喫煙によって生じる慢性呼吸器疾患である「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」が潜在していた可能性も否定できません。他にも様々な疾患の可能性はありますので、一度呼吸器専門医の受診をお勧めします。


(2019年9月11日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2019年08月29日

Q「2歳になる息子のいびきがすごく・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 2歳になる息子のいびきがすごく、風邪を引いてなくてもかくので気になっています。何か病気と関わりがあるのでしょうか。

A) 「いびき」は「睡眠時無呼吸症候群」の主症状です。大人のいびきが「肥満」「メタボリックシンドローム」などの生活習慣病が主因であるのに対し、小児の場合は口腔や鼻腔などの形態学的な問題が主因であるのが特徴です。具体的には「アデノイド増殖症」や「口蓋扁桃肥大」が該当しますが、一般にアデノイドは3〜6歳、口蓋扁桃は5〜7歳で最大となり学童期の後半には次第に退縮がみられますので、小児のいびきがみられるのは2〜6歳が多いと言われています。この時期は成長・発達に重要な時期でもあり、無呼吸が「成長障害」「低身長」につながる可能性もあることから注意が必要です。
お子さんの胸を観察していただき、もしいびきに伴って胸が陥没しているような状況(陥没呼吸)であれば要注意です。他にも起床時不機嫌、日中の長時間の昼寝、落ち着きのなさ、多動、攻撃的な行動、集中力の欠如などが無呼吸に伴ってみられうる症状とされています。もしお子さんがこれらに該当するようであれば、一度無呼吸を専門にしている診療所・病院か耳鼻咽喉科を受診する事をお勧めいたします。


(2019年8月29日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2019年07月09日

Q「主人のいびきがひどくて困っています・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 主人のいびきがひどくて困っています。呼吸が止まっているかと思うと、苦しそうないびきで再開します。本人は特に気にしていないようですが、このままでいいのか心配です。

A) いびきがひどいとのことですが、お話からは「睡眠時無呼吸症候群」を疑います。「日中に眠気を感じる」「朝起床時に疲れが残っている」「若い頃より体重が増えている」「肥満・高血圧・糖尿病などメタボリック症候群の兆候がある」、これらに該当するようであれば一層「睡眠時無呼吸症候群」を疑います。この病気はいびきが酷いというのも問題とは思うのですが、「脳梗塞」や「心筋梗塞」などのリスクにつながるというのも大きな問題です。確定診断をするためには睡眠中の無呼吸の頻度や持続時間を調べる必要があります。そのため検査は一晩かけて行うのですが、簡易式の検査機器を貸し出しして行う方法と、一晩入院して詳細に検査する方法があります。検査の結果治療が必要な場合は、CPAP(陽圧持続呼吸療法)といって鼻にマスクをつけて機械で圧力をかけ無呼吸にならないようにする治療を行う場合もあります。ご本人は気にされていないとの事ですが、一度受診を勧めてみてはいかがでしょうか。


(2019年7月9日 中日新聞市民北版「教えて!ドクター Q&A」掲載)
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2019年06月11日

Q「マイコプラズマ肺炎について教えて・・・」

教えてドクター2.jpgQ) マイコプラズマ肺炎について教えてください。普通の肺炎とはどう違うのでしょう。

A) マイコプラズマ肺炎は発熱・咳・痰といった症状を主とする呼吸器感染症の一つで、原因となる菌である「肺炎マイコプラズマ」は肺炎球菌・インフルエンザ菌に次いで多く、よって特に珍しい肺炎というわけではありません。感染後2〜3週間の潜伏期間ののちに発熱・咳などの症状が始まりますが、解熱した後も3〜4週間咳が続く場合もあり、「咳が長引く」というのが一つの特徴ではあります。ただもっとも特徴的なのは「人から人にうつる」ということであり、学校などの集団生活を送る場で同時に複数の発症がみられたり、子供のいる家庭で患児から親への感染がみられる事もあります。したがって学生でマイコプラズマ肺炎と診断された場合は、インフルエンザと同様に感染拡大を防ぐために登校停止の措置が通常とられます。
症状としては比較的軽度の場合もありますが、中には重症化したり肺炎球菌等他の菌との混合感染がみられたりする場合もあります。治療薬としてはマクロライド系やキノロン系の抗菌薬が使用されますが、数日の投与では再燃がみられる場合もある事から最低でも1週間から10日間の投与が推奨されています。


(2019年6月11日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2019年05月29日

Q「今年65歳になる男性です。肺炎球菌の予防接種の・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 今年65歳になる男性です。住んでいる自治体より、肺炎球菌の予防接種の案内がきました。タバコも吸っていないし健康に問題ないので打たなくてもいいと思っていますが、全員接種すべきでしょうか。

A) 厚生労働省の人口動態統計によると肺炎は日本人の死因の第5位となっています。また、肺炎で亡くなられた方のうち65歳以上のかたが9割以上を占めています。肺炎球菌は肺炎の原因となる細菌の代表的なもので、現在接種費用に対して公的補助を受けることも可能です。肺炎が命にかかわるような重症化をするリスクに、慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患や糖尿病が基礎疾患として存在することがあげられますが、年齢も一つのリスクと考えられているのです。また肺炎球菌の予防接種をすれば絶対に肺炎にならないとは言えませんが、予防接種を受ける事で仮に肺炎になっても重症化を防ぐ効果があるとも言われています。
「タバコも吸わず健康」というのは素晴らしい事だと思いますが、誰しも年齢を重ねるとともに体力は衰えていくものです。もちろん個人差もありますので一概には言えませんが、特にご病気がなく健康であられても65歳を一つの目安と考え前向きに考えてはいかがでしょうか。


(2019年5月29日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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