2021年07月16日

Q「子供が小さい頃からアトピーがひどく・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 現在小学生の子供がいるのですが、小さい頃からアトピーがひどく通院していました。最近咳が続いて病院を受診したところアレルギー性の喘息と診断されました。だんだんアレルギーがひどくなっていくようで心配です。何か対処法はあるのでしょうか。

A) もともとアトピー性皮膚炎のあるお子さんが気管支喘息を発症するのは、さほど珍しいことではありません。アトピー性皮膚炎、気管支喘息に引き続いてアレルギー性鼻炎や結膜炎を発症する場合もあり、このように「アトピー素因」のある子供が年齢とともにいくつかの臓器で次々にアレルギー疾患を発症していく現象は「アレルギーマーチ」と呼ばれています。複数のアレルギー疾患があると「ひどくなっている」「重症になっている」ととらえがちですが、必ずしもそうではないとお考えください。小児のアトピーや喘息については適切な治療を行うことによって、治癒・寛解にもっていくことも可能と考えられています。複数のアレルギー疾患がある場合に重要なのは「同時に適切な治療を行なっていくこと」と考えられています。例えば「喘息の症状がひどいからまずは喘息の治療を」「アトピーがひどいからアトピーさえ良くなればいい」というような治療の進め方をすると、どちらも良くならない状況に陥ることがあります。一つの体の中で起きている問題であり、総合的に判断してコントロールできるように治療計画をたてていくことが重要です。それぞれの病状を正しく見極めて適切な治療を行なっていくために、アレルギー専門医を受診することをお勧めいたします。


(2021年7月15日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2021年05月28日

Q「70歳の父親が間質性肺炎の中の「特発性肺線維症」と言われました・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 70歳の父親が間質性肺炎の中の「特発性肺線維症(IPF)」と言われました。どのような病気でしょうか。

A) まず「間質性肺炎」ですが、これは肺の「間質」と言う部位に炎症をきたす肺炎の総称で、細菌やウイルスによる感染症である「肺炎」とは全く異なるものであり、関節リウマチや皮膚筋炎などの膠原病に伴うものや、薬剤の副作用として起きるもの、原因の特定できないもの等が挙げられます。原因の特定できない間質性肺炎は「特発性間質性肺炎」と呼ばれ、初期には無症状であることが多いですが病状の進行に伴い「息切れ」や「咳」等の症状を自覚するようになり、確立された治療法がない事から国の定める「指定難病」の一つとなっています。
現在「特発性間質性肺炎」は主要な6つの病型、稀な2つの病型および分類不能型に分類されていますが、頻度としては「特発性肺線維症(IPF)」が最も多く80〜90%を占めています。現在「IPF」を完治させる治療法はなく、ある程度進行した段階では「抗線維化薬」により病状の進行を緩やかにできる場合がありますが、効果には個人差があります。病状の進行に伴って呼吸不全が進行し、自宅で酸素吸入を行う「在宅酸素療法」が必要となる場合もあります。また時に急激に呼吸困難が出現する「急性増悪」がみられることもあります。診断されてからの平均生存期間は5年程度と言われていますが、人によって経過は様々であり一概には言えません。担当の医師にお父様の病状を詳細に確認することをお勧めいたします。


(2021年5月28日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2021年04月07日

Q「現在高血圧で通院していますが、「人間ドック」や「がん検診」は・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 現在高血圧で通院しています。診察の時に血液検査も時々していますが、「人間ドック」や「がん検診」は別で受けた方がいいのでしょうか?診察を受けていれば大丈夫でしょうか?

A) 確かに高血圧で通院していると定期的に血液検査を受けるとは思います。それは血圧が高いことにともなって腎臓や心臓の働きに問題がないかを調べたり、血圧が高くなる要因の一つである動脈硬化と関連してコレステロール値や尿酸値が上昇していないか、血糖値はどうか、肝機能に問題はないかなどを調べるのが目的です。要するに「高血圧に関連する何らかの問題が起きていないか」を調べるために検査をしているのです。一方「人間ドック」では血液検査以外にも胃カメラやCTや超音波など様々な検査をおこなう場合もあると思いますが、「全身に異常がないかを調べる」のが目的です。ただしもちろん「広く浅く」調べていると言っても良いので全ての異常が検出できるわけではなく、異常があった場合は「要精密検査」となり医療機関の受診を勧められます。また「がん検診」は脳腫瘍、胃がん、肺がん、大腸がんなど、「がん」に特化した検診ですので「人間ドック」とも位置づけが異なります。おこなう血液検査も「腫瘍マーカー」などの「がん」の発見を目的にした項目となるので、「人間ドック」のようにがん以外の病気の有無がわかるわけではありません。結論ですが、通院して定期的に血液検査をしていれば「人間ドック」や「がん検診」を受けなくても大丈夫と言うわけではないのです。


(2021年4月7日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2021年03月16日

Q「50歳男性です。突然気管支喘息と診断されました・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 50歳男性です。突然気管支喘息と診断されました。小さい頃喘息もなく、アレルギーもありません。大人になってから気管支喘息が突然発症するものなのでしょうか。

A) 気管支喘息は幼児から高齢者まで幅広い年代の方にみられる疾患ですが、「こどもの病気」と思っている方が意外に多く「大人で喘息の人はこどもの頃から喘息」と考えてみえる方も多いです。一般的に「こどもの喘息(小児喘息)」は60%程度の方が適切な治療をすることにより治癒・寛解すると言われており、実は治る事が多い疾患なのです。小児喘息で治った人のうちおよそ30%程度の方は大人になってから再発すると言われてはいますが、「大人の喘息(成人喘息)」の方で小児喘息だった方はおよそ20〜30%程度であり、こどもの頃に喘息でなかった人の方が大半を占めると言っていいでしょう。しかも統計的には成人喘息のうち60%以上は40歳以降の発症ですので、50歳で突然気管支喘息と診断されてもなんら珍しいことではありません。
一方小児喘息と異なり成人喘息は現在の医療では完治は難しいと考えられています。しかしながらきちんと治療すれば80%以上の方は無症状の状態でコントロールできると言われていますので、ながく付き合うつもりで主治医の先生とよく相談しながら治療を続けていくことをお勧めいたします。


(2021年3月16日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2021年01月28日

Q「喘息治療中ですが、夜寝ている時に発作が起こることが多く・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 喘息治療中です。治療開始前に比べ症状は改善していますが夜寝ている時に発作が起こることが多く、不安で寝られません。寝ている時に起こるのは何か原因があるのでしょうか。

A) 「夜間の症状」は喘息によくみられる症状の一つで、特に珍しい事象ではありません。日中に比べて夜間に多い理由としては、「夜寝て朝起きる」という人のサーカディアンリズムによって夜間に副交感神経系が優位となることに伴い気道平滑筋の収縮が起きやすくなることや、「寝る」という姿勢により床や布団に蓄積したハウスダスト等のアレルゲンを吸引しやすい状況となることや、夜間・早朝の気温低下や室内空間の乾燥等による気道過敏性の亢進などがあげられます。ただ全ての人に当てはまるわけではなく夜間よりも日中の症状が多い場合もあります。
何れにしても「夜間の症状が残る」というのは、現在の治療効果が不十分であることを示唆しています。現在の治療内容がわかりませんので具体的な対処法を示すのは難しいですが、現在の治療を強化するというのも一つですし、寝室の環境整備(清掃等によるハウスダストなどのアレルゲン回避や、室温や湿度等の空調管理など)も一つかとも思われます。一度通院中の病院で担当の医師とよく相談されることをお勧めいたします。


(2021年1月28日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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