2022年01月25日

Q「COPDと喘息の合併症と呼ばれるACOとは・・・」

教えてドクター2.jpgQ) COPDと喘息の合併症と呼ばれるACOとはどのような病気ですか?

A) COPD(慢性閉塞性肺疾患)は主に喫煙が原因となって引き起こされる慢性呼吸器疾患であり、呼吸機能検査上気流閉塞を示すことを特徴とし、症状としては慢性な「咳」「痰」「息切れ」がみられますが無症状のまま経過することも少なくなく、症状が出てきたときにはかなり進行した状況である場合もあります。一方で気管支喘息は呼吸器系のアレルギー疾患の一つであり、気道の慢性炎症を本態とし、気道狭窄による喘鳴や呼吸困難、胸苦しさ・咳などの症状で特徴づけられる疾患です。COPDとの一番の違いは症状が良くなったり悪くなったりする「変動性がある」という点です。
「ACO」とはCOPDと喘息の両方の特徴を併せ持っている場合に「合併症」と判断され診断に至るわけですが、例えば「もともと喘息である方が喫煙を継続した結果COPDも発症」した場合や、「COPDである方が季節の変わり目などにアレルギー反応をきたして症状が変動性を持ってきた」場合などがまず疑われます。確定診断のためには胸部レントゲン・CT、呼吸機能検査、FeNO測定、血液検査等が必要です。通常「COPD」の治療には抗コリン剤・長時間作用性β刺激剤といった気管支拡張剤が使用されますが、「ACO」と判断された場合は喘息治療の中心となる吸入ステロイド剤も積極的に投与されます。また「ACO」は積極的な治療により「COPD」よりも良好な経過をたどるとされていますので、確定診断と適切な治療が重要と言えます。



(2022年1月25日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2021年12月21日

Q「喘息の吸入器にいろいろな物が・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 喘息の吸入器にいろいろな物が出ていますがどう違うのでしょうか。

A) まず吸入器の「役割」という意味でいうと「コントローラー」と「レリーバー」に分けられます。「コントローラー」は症状の有無にかかわらず毎日使用して、症状をコントロールする、あるいは症状が出ないようにするものです。薬剤の成分でいうと「吸入ステロイド薬」「長時間作用性β2刺激薬」「抗コリン薬」が該当します。一方「レリーバー」は症状が出現した時に症状を抑えるために使用するもので、「短時間作用性β2刺激薬」が該当します。
 次に吸入器の「製剤」という意味でいうと「ドライパウダー」と「エアロゾル」に分けられます。「ドライパウダー」は粉末状の薬剤を自分で吸って気管支に入れる構造になっています。「エアロゾル」は小型のガスボンベのような形状になっており、手で押し込んで薬の入ったガスを噴霧して吸う構造になっています。
 「コントローラー」「レリーバー」それぞれに「ドライパウダー」と「エアロゾル」があります。また「コントローラー」には薬剤成分として3種類あるわけですが、単一薬剤のものもあれば二種類あるいは三種類を含む「配合剤」もあります。また当然ではありますが大人用と子供用、重症用と軽症用では含まれる薬剤の用量が異なります。
 医師は患者さんの年齢や重症度、吸気力など様々な観点からどの薬剤がいいのかを選択することになります。



(2021年12月21日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)
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2021年11月11日

Q「毎年秋頃に風邪をひくのをきっかけに春頃まで咳が・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 毎年秋頃(10月、11月)に風邪をひくのをきっかけに、春頃(2月、3月)まで咳が続きます。昨年12月は特にひどく、マイコプラズマとアレルギーが原因と言われました。どう対策をするのが良いのでしょうか。

A) マイコプラズマ感染症は気道感染症において珍しいものではなく、長く咳が続くのを特徴としますが、毎年半年近く同じ時期に咳が続くというのは「マイコプラズマ」ではなく「アレルギー」の問題が主であると考えます。
このように「季節性のある咳」というのはアレルギー疾患の特徴ですが、病名としては「気管支喘息」が最も疑わしいと考えられます。「気管支喘息」というと「いつも咳き込んでいる」「いつもゼイゼイいっている」というイメージされる方も多いですが、「風邪をひくと咳が長引く」「季節の変わり目に咳が出る」といった一時的な症状である場合も少なくありません。
今回の場合はきちんとした診断をされているわけではないようなので、専門医に受診されたわけではなく治療も「症状が出たら受診しておさまったら治療をやめる」といった対処をされているのではないかと予想いたします。「気管支喘息」の場合、最も良い対処は「症状が治まっても治療を継続すること」です。症状がなくなっても病気として治っているわけではないので、毎年同じ時期に症状が出てしまうのです。一度呼吸器専門医を受診して、きちんとした診断のもとに治療を受けることをお勧めいたします。


(2021年11月11日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)
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2021年09月21日

Q「新型コロナウイルスのワクチンを接種すると熱が・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 新型コロナウイルスのワクチンを接種すると熱が出ることがあると聞きました。この場合は市販薬を服用し、療養すればよいですか?それとも医療機関に相談をした方が良いでしょうか?

A) 確かにコロナウイルスワクチン接種後に発熱の症状がみられる可能性はあります。一般的に1回目の接種よりも2回目の接種の方がその確率は高くなると言われています。ただワクチンによる発熱は接種後1〜2日以内に起きることが多いですが、熱があっても比較的お元気な状況であれば熱を下げなければいけないということはありません。水分を多めにとるようにしてお身体を休めていただければ良いと思います。
 もし発熱にともなって全身倦怠感が強いなど日常生活に支障がでるような状況であれば、もちろん市販の鎮痛解熱剤を使用していただいてもかまいません。またワクチンの副反応として比較的起きやすい症状としては発熱以外にも頭痛や関節痛などもありますが、市販薬で改善が得られない場合など、医療機関に相談しても何ら問題はありません。
 2日以上発熱が続いたり、ワクチン接種では起きないような咽頭痛や味覚障害・嗅覚障害などの症状がみられたりする場合には、新型コロナウイルス感染症を含む何らかの感染症が合併していたりする可能性もありますので、医療機関にご相談いただくことをお勧めいたします。


(2021年9月21日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2021年08月06日

Q「「喘息」と「肺炎」を見分けるには・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 「喘息」と「肺炎」を見分けるには、何が一番の違いになりますか。また「喘息」から「肺炎」になることがあるのか、「肺炎」に対して気をつけた方が良いことがあれば教えてください。

A) 「喘息」はアレルギー疾患であるのに対し「肺炎」は細菌やウイルスなどの病原体による「感染症」です。したがってこの2つの疾患の最も大きな違いは「感染症」に伴う典型的な全身症状、例えば「発熱」や「全身倦怠感」などの症状があるかどうか、ということになります。
 通常「喘息」は「感染症」ではないため「発熱」などの全身症状はみられず、「咳」「息苦しさ」「喘鳴」などの気道症状が主体です。ただ必ずしも症状のみでは見分けがつかない場合もありますので注意は必要です。例えば「発熱はなく咳が2週間ほど続く」というような症状で受診され、胸部レントゲンから「肺炎」と診断されるような場合があります。また「肺炎は治ったが咳が続く」というような状況で、呼吸機能検査やFeNO測定を実施して「気管支喘息」と診断されるような場合もあります。
 このように一概に症状のみでは見分けがつかない場合もありますため、レントゲンや採血、呼吸機能検査、FeNO測定などの検査を必要に応じて行い、判断する必要があるのです。また疾患として異なりますので「肺炎を契機に喘息症状が悪化する」ということはあっても、「喘息が原因で肺炎になる」ということはありません。
 「肺炎」にならないようにするには、日常的な手洗いなどの感染対策を行うことが重要と考えます。症状がながびき不安な状況がある場合には「呼吸器専門医」を受診することをお勧めいたします。


(2021年8月6日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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