2019年05月29日

Q「今年65歳になる男性です。肺炎球菌の予防接種の・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 今年65歳になる男性です。住んでいる自治体より、肺炎球菌の予防接種の案内がきました。タバコも吸っていないし健康に問題ないので打たなくてもいいと思っていますが、全員接種すべきでしょうか。

A) 厚生労働省の人口動態統計によると肺炎は日本人の死因の第5位となっています。また、肺炎で亡くなられた方のうち65歳以上のかたが9割以上を占めています。肺炎球菌は肺炎の原因となる細菌の代表的なもので、現在接種費用に対して公的補助を受けることも可能です。肺炎が命にかかわるような重症化をするリスクに、慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患や糖尿病が基礎疾患として存在することがあげられますが、年齢も一つのリスクと考えられているのです。また肺炎球菌の予防接種をすれば絶対に肺炎にならないとは言えませんが、予防接種を受ける事で仮に肺炎になっても重症化を防ぐ効果があるとも言われています。
「タバコも吸わず健康」というのは素晴らしい事だと思いますが、誰しも年齢を重ねるとともに体力は衰えていくものです。もちろん個人差もありますので一概には言えませんが、特にご病気がなく健康であられても65歳を一つの目安と考え前向きに考えてはいかがでしょうか。


(2019年5月29日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2019年03月12日

Q「毎年春先になるとひどい鼻づまり、鼻水といった花粉症症状に・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 毎年春先になるとひどい鼻づまり、鼻水といった花粉症症状におそわれます。どのようにしていけば、この症状を軽減できるのでしょうか。また、何か良い治療法などありましたら教えてください。

A) 「花粉症」はスギ・ヒノキなどの花粉に対してのアレルギー反応により、くしゃみ・鼻水・鼻づまり等の症状が引き起こされる疾患です。スギ・ヒノキ以外にもカモガヤ・ブタクサなど様々な花粉で引き起こされる可能性があり、その花粉の飛散時期に症状がひどくなるのが特徴です。治療の主体は「抗ヒスタミン剤」や「ロイコトリエン受容体拮抗薬」などの「抗アレルギー剤」の内服ですが、点鼻薬や点眼薬を併用する場合もあります。
春先ですとスギ・ヒノキに対しての花粉症の可能性が高いと考えられますが、一般に花粉の飛散量のピークとなる春先から「抗アレルギー剤」による治療を開始しても十分に症状をコントロールするのは困難です。通常は1月おわり〜2月の花粉の飛散開始時期にあわせて、つまり「症状が出る前から」内服薬を開始する事がピーク時の症状を抑えるのに効果的とされています。ただこのように対応するためには予め自分が何の花粉に対してアレルギー反応があるのか調べておく必要があります。また「抗アレルギー剤」以外の治療法として、舌下免疫療法や鼻粘膜へのレーザー照射等が挙げられますが、いずれも鼻炎症状のひどい時期に開始あるいは実施する事は通常ありません。治療薬の選択を含め一度アレルギー専門医を受診する事をお勧めいたします。


(2019年3月12日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2019年03月06日

Q「健康診断で「胸部レントゲン異常」と「高血圧」を指摘され・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 健康診断で「胸部レントゲン異常」と「高血圧」を指摘されました。タバコを吸うので多少の咳や痰はありますが、他の症状は全くないので自分では健康だと思っています。「要受診」となっていますが、その必要はあるのでしょうか。

A) まず「胸部レントゲン異常」ですが、そもそも肺や気管支には痛みを感じる知覚神経がないので、例えば「肺癌」ができたとしても初期であれば「痛み」を感じることはありません。肺の外側を包んでいる「胸膜」に影響を及ぼすようになれば痛みを感じるようになりますし、癌が大きくなってくれば咳・痰・血痰などの症状が出る場合もありますが、そのような状況ですともうかなり進行した状況ということになります。「肺癌」以外の病気でも「肺結核」や「肺気腫」「肺線維症」などの疾患でも無症状の状況で検診で指摘される場合もあるのです。喫煙者ということは呼吸器疾患の発症リスクであることは間違いありません。
また「高血圧」についてですが、こちらも症状が出ることは特にありません。血圧が高くなっているということは動脈硬化が起きている可能性を示唆し、将来「脳梗塞」や「心筋梗塞」等の発症のリスクがあることになります。これらの疾患は症状が出た時には半身麻痺などの重篤な症状や、生命に関わる状況につながる場合もあり、そのような状況になってから「高血圧」の治療を開始していたのでは遅いのです。また喫煙は動脈硬化を促進する危険因子でもあります。
結論としては内科受診を強くお勧めします。「症状がないから」というのを理由にしていては、健康診断を受けた意味がないですよ。


(2019年3月6日 中日新聞市民北版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2019年02月25日

Q「妊娠5ヶ月なのですが、夫がヘビースモーカーで・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 現在妊娠5ヶ月なのですが、夫がヘビースモーカーで禁煙をしてくれません。子供への影響がとても心配です。受動喫煙のことを詳しく教えてください。

A) 今や喫煙が「がん」や「脳血管障害」などの疾病のリスクとなる事は常識ですが、自身が喫煙していなくとも周囲からの「受動喫煙」によっても様々な健康被害が起きる事も知られています。また以前は別の部屋や屋外で喫煙すれば受動喫煙は起きないように考えられていましたが、衣服や髪の毛などにタバコの煙に含まれる有害物質が付着する事から、現在は喫煙者とともに生活するだけで受動喫煙が起き健康被害が起きる可能性があると考えられています。これまでの報告では妊婦が受動喫煙した場合でも胎児にタバコの煙に含まれる有害物質が流入する事が確認されており、その流入量は妊婦が直接喫煙した場合の1/3程度とは言われていますが、子宮内発育不全や低出生体重児の割合が増加するとされています。また受動喫煙は「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の危険要因でもあり、家庭内に喫煙者がいると約4倍の危険度となる事も知られています。さらに喫煙者のいる環境で育つ子供は小児喘息の発症リスクが高まることや、受動喫煙が喘息増悪の誘発因子となる事も知られています。このように妊婦さんや小さいお子さんのいる家庭に喫煙者が存在する事によって起きうる健康被害は、とても「喫煙者の自己責任」で片付けられるものではありません。一刻も早く禁煙されることをお勧めいたします。


(2019年2月25日 中日新聞市民南版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2018年12月04日

Q「インフルエンザの予防接種について、年齢制限は・・・」

ショッパー版教えて!ドクター.jpgQ) インフルエンザの予防接種について、年齢制限はありますか?また、いつ頃からいつ頃までに打つべきでしょうか。早すぎても遅すぎても効果がないのかと思い、いつもどの時期に打つべきか迷っているうちに流行が来てしまいます。

A) 年齢に関して言うと生後6カ月以上の方が対象となりますので、ほとんど年齢制限はないと考えていいと思います。ただ1歳未満の場合はワクチンの有効性が乏しいと言う見解もあり、1歳未満の予防接種は行なっていない病院もあります。打つ時期に関してですが、基本的にはインフルエンザの流行シーズンに入る前にワクチンの効果が発現していたほうが良いと考えます。一般にワクチンの効果が出てくるのに接種後2週間は要すると考えられており、流行シーズンが始まるのは年によって差がありますが12月〜1月くらいですので、インフルエンザの発生状況等をチェックしつつ遅くとも12月上旬には接種を済ませておいたほうが良い様に思います。またワクチンの効果が持続する期間は5〜6カ月ですので、インフルエンザシーズンの終息が3月終わりくらいと考えると、インフルエンザの流行入りが早くなりそうであれば、10月中旬くらいの接種なら十分シーズン期間をカバーできると考えます。結論として流行入りが早そうなら10月中旬、遅くなるとしても12月上旬には接種した方が良いということになります。


(2018年12月4日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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