2020年10月27日

Q「そろそろインフルエンザが出だす季節になってきますが・・・」

教えてドクター2.jpgQ) そろそろインフルエンザが出だす季節になってきますが、今年は新型コロナが流行していることもあって、とても心配です。インフルエンザの予防接種も「高齢者は早くうけた方がいい」と聞きますが、早くうけた方がよく効くのでしょうか?

A) 確かに寒くなってくるにつれて新型コロナとインフルエンザが同時流行する可能性が懸念されており、厚生労働省も今年はインフルエンザの予防接種をより推奨し、ワクチンも過去5年間で最大量の約6300万人分が確保されているとのこと。現状新型コロナは確立された治療法がなく、確定診断も全ての医療機関でできるわけではありません。一方「コロナ」も「インフルエンザ」も主な症状は「発熱」であるため、症状だけでは見分けがつかないという問題もあります。また「インフルエンザ」は「迅速診断キット」がありますが、十分な感染対策をとらずに検査が行われ、万が一検査をうけた人が「コロナ」であった場合、かえって感染拡大の一因となってしまうと言われています。このような状況の中「インフルエンザワクチン」による予防が重要視され、コロナ感染拡大防止にもつながると考えられているのです。ただ「早く接種すればよく効く」という訳ではありません。あくまで「希望者が殺到した場合は、高齢者などリスクの高い方を優先して接種を」とご理解ください。


(2020年10月27日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2020年08月07日

Q「からせきが3週間以上続きます・・・」

教えてドクター2.jpgQ) からせき(痰のないせき)が3週間以上続きます。特に寝入りばなに咳き込むことが多く、なかなか寝付けないこともあります。ただの風邪でしょうか。

A) 「せき」の原因で最も頻度が高いのは風邪をはじめとする「感染症」によるものですが、通常単なる「風邪」で3週間以上咳が続くことはありません。風邪から二次感染を起こして肺炎になってしまった場合に咳が長引くことはありますが、咳以外の発熱・痰といった症状も伴うことが多いように思われます。感染症であれば「マイコプラズマ」や「百日咳」といった「長引く咳」を特徴とする特殊なものを疑うべきです。また最近は同様の症状で「こんなに咳が続くのはコロナじゃないか」と受診される方も多いですが、コロナウイルス感染症で3週間以上症状が続いていれば、咳以外の重篤な症状が出ている可能性が高いと考えます。
 「咳」以外の「痰」「発熱」といった感染症に特徴的な症状がない場合は、感染症以外の疾患も疑うべきです。このような症状を呈する比較的可能性の高いものに「気管支喘息」や「咳喘息」といったアレルギー疾患が考えられます。もともと花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患のある方であれば一層疑う根拠となります。またこのような疾患は夜間に症状が悪化するのも特徴ですので、今回の場合は可能性としては高いように思われます。もし喘息であった場合、いったんおさまっても何度も繰り返して重症化する可能性もあるため早めに専門医を受診することをお勧めいたします。


(2020年8月7日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)

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2020年07月29日

Q「30年以上喫煙していた父が検査で肺気腫を指摘され・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 30年以上喫煙していた父が検査で肺気腫を指摘され、現在禁煙しています。もう60代なので、いくら禁煙しているとはいえ病気が進行したり、他の病気になったりしないか心配です。他に気をつけるべきことはありますか。

A) 「肺気腫」は長年の喫煙によって炎症とともに肺の構造が破壊される事で生じる病変で、現在病名としては「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」と呼ばれています。残念な事に禁煙しても治ることはありません。また経年的に悪化していきますので、禁煙しても徐々に病気としては進行していきます。COPDの病状把握として重要なのは、構造的変化としての肺気腫の程度のみではなく、機能的にどの程度悪化しているかどうかという点もありますので、通常は「肺機能検査」によって評価を行います。主な治療は気管支拡張剤の吸入ですが、どういった薬剤を選択するかは構造的悪化よりも機能的悪化の方が基準となります。また昨今は気管支喘息を合併した「ACO」かどうかが、病状の進行予測や治療薬の選択の上で重要と考えられていますので、その点についても判断が必要です。
 他の病気になったら心配とのことですが、健常者に比べ「肺癌」の合併率は高いと考えられており、定期的な経過観察が必要です。また肺炎やインフルエンザ、コロナウイルス罹患時の重症化因子の一つですので、予防接種を含む感染予防を心がけることも重要と言えるでしょう。


(2020年7月29日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2020年07月18日

Q「以前よりアレルギーのある子供が増えたのは・・・」

教えてドクター2.jpgQ) 以前よりアレルギーのある子供が増えたのは、昔より生活環境が衛生的になったからと言う意見を聞きますが、本当でしょうか。アレルギーを発症しないようにするためには、あまり衛生的な環境にしない方が良いと言うことですか。

A) アレルギーの発症には「遺伝的要因」と「後天的要因」が関与していると言われています。前者は「遺伝子」が関与するとされるもので、後者は産まれた後の環境や何らかの外的因子の影響(感染症や抗原暴露など)によるというものです。後者の一つに「衛生仮説」がありますが、これは「清潔すぎる環境がアレルギーの発症につながる」というもので、乳幼児期に微生物の感染等の刺激が少なくなる事によって、免疫の発達が不十分となりアレルギー疾患の発症に関与すると考えられています。
 しかしながら「不潔な環境が良い」と言っているわけでは決してなく、「感染症にかかった方が良い」と言うわけでもありません。どうするのがベストかと言うのはなかなか難しいですが、過度に衛生的にする事なく「自然に近い形」が良いと言うくらいでしょうか。また抗菌剤の投与が腸内の細菌に影響を与えアレルギーの発症に関与するという報告もありますので、必要以上に抗菌剤を服用しないほうがいいとは言えると思います。


(2020年7月18日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2020年04月16日

Q「たばこをやめたいと思っていますが・・・」

教えてドクター2.jpgQ) たばこをやめたいと思っていますが、やめられません。禁煙外来を受診すれば簡単にやめられるでしょうか。また禁煙外来ではどのようなことをするのでしょうか。

A) まず「禁煙外来」ですが、「禁煙外来を受診さえすれば誰でも簡単に禁煙できる」というものではありません。「禁煙外来」では「ニコチン依存症」と診断された方を対象に「禁煙補助薬」を使用しながら定期的に通院して禁煙をすすめていきますが、「禁煙補助薬」の作用は「たばこをやめた際に起きるイライラ感」を抑えるのが主であり、「禁煙しようとした時に起きる問題を和らげる」という性質のものなのです。したがって患者さんご自身の「禁煙したい」という気持ちが最も重要であり、「薬を飲めば自然にやめられる」というものではなく「薬の力を借りて自分の意思で禁煙する」とお考えください。
 喫煙は「肺がん」などの悪性疾患、「心筋梗塞」「脳梗塞」等の動脈硬化に伴う心血管疾患の危険因子であり、間接喫煙による家族や同居者の健康被害も明らかとなっています。最近では喫煙者の新型コロナウイルス肺炎の死亡率は、非喫煙者に比べて10倍以上高いという報告もあります。
 喫煙によるデメリットを十分に理解した上で、禁煙したいという十分な意志のもとでも禁煙できない状況であれば、一度禁煙外来受診をお勧めいたします。


(2020年4月16日 中日新聞なごや東版「教えて!ドクター Q&A」掲載)
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