Q) 毎年花粉症に悩まされています。「舌下免疫療法」が気になっているのですが、花粉が飛散している時期は治療できないと言われました。なぜですか?
A) 「舌下免疫療法」はアレルギー症状を引き起こす物質「アレルゲン」を舌の下に少量ずつ薬として投与し、身体を徐々に慣れさせる治療法です。治療効果としてはアレルギー反応が起こらない、起きても軽い症状で済むようになります。花粉症の舌下免疫療法は「スギ花粉」を成分として使用するため、スギ花粉が飛散している時期に開始しても効果が得られません。通常は花粉が飛散していない5月から12月初めまでの間に治療を開始します。
ただ治療開始後はスギ花粉の飛散時期も含め、年間を通じて薬を服用する必要があります。また少なくとも3〜5年ほど治療を継続する必要があり、途中でやめてしまうと、また初めから開始することになります。
副作用がでる場合もあります。唇や口の中が腫れたりすることがあり、また稀ですが「アナフィラキシーショック」という重篤な副作用が起きうることも知られています。またもともと喘息がある場合、喘息の悪化が誘発される可能性がある事も知られています。
副作用の可能性や治療の継続性も含めて、治療を受けるかどうか検討することをお勧めいたします。
(2024年2月26日 市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)
2024年02月26日
2024年02月20日
今日はアレルギーの日です。
「けやき内科」のブログをごらんいただき、ありがとうございます。
今日2月20日は「アレルギーの日」です。
アレルギーが体のなかでおこる際に重要な役割をはたす物質の一つに「IgE抗体」というものがあります。この「IgE抗体」を発見したのは日本人の医学者である石坂公成先生で、石坂先生がこの「IgE抗体」を発見・発表されたのが1966年2月20日なのです。日本アレルギー協会は1995年以降、2月20日を「アレルギーの日」、その前後1週間を「アレルギー週間」とさだめ全国の日本アレルギー協会支部で様々なアレルギーの啓発活動を行っています。
「けやき内科」のある名古屋では、まさにこれからアレルギー疾患の代表的なものである「花粉症」のピークを迎えようとしています。症状がひどくなってからの治療ではピーク時の症状をおさえることは困難といわれていますので、花粉の飛散がはじまっている今から「症状がでないよう」治療を開始するのがおすすめです。「スギ花粉症」と診断されている方は早めに受診されることをおすすめいたします。
これからも「けやき内科」をよろしくお願いいたします。
2024年02月12日
花粉症シーズン到来!
「けやき内科」のブログをごらんいただき、ありがとうございます!
日本気象協会によると今週から関東・九州では花粉飛散量が一気に増加し、本格的な花粉症シーズンに入ると予想されていますが、近いうちに名古屋も飛散量が増加してくると予想されています。「スギ花粉症」と診断されている方はそろそろ対策をする時期ですね。
「花粉症」は症状がではじめてから治療を開始したのでは効果がでるのに時間がかかり、特にピーク時の症状のコントロールは困難といわれています。一般に予め「花粉症」と診断されているのであれば「花粉の飛散がはじまったら」「症状の出る前に」治療を開始するのがもっともよいとされています。
すでに「スギ花粉症」と診断されている方は早めの治療開始をおすすめいたします。また「気管支喘息」を合併しているかたは、花粉症症状とともに喘息症状の悪化がみられる場合もあるため、特に治療開始することを強くおすすめいたします。
これからも「けやき内科」をよろしくお願いいたします。
2024年01月31日
コロナウイルス(COVID-19)感染症が増加しています。
現在「コロナウイルス(COVID-19)感染症」が増加しています。
「けやき内科」でも通常との診療とは別に「発熱外来」を実施しておりますが、ここ二週間ほど発熱症状で受診を希望される患者様が明らかに増加しています。かつ一時期インフルエンザと診断される方が増えていた印象でしたが、最近はほとんどの方がコロナウイルス感染症と診断されています。
重症化率が以前より低くなっていることもあり、ほとんどの方が軽症ではありますが、高齢者や基礎疾患のある方が感染するとリスクがあることに変わりはないため、引き続き感染対策をとるべきと考えられます。また軽症であっても感染力は強くなっているとは言われており、家庭内や会社内で感染拡大することによってインフルエンザ同様社会活動の停止につながり社会的損失にもなります。できる限り感染対策を行い、この「第10波」を乗りこえましょう。
「発熱」を伴う方で「けやき内科」を受診される場合は、下記の点にご理解いただきますようお願いいたします。
1. 受診前に必ずお電話ください。
「発熱外来」は通常の診療と分けて行なっています。原則「駐車場車内」での診察となりますが、その日の通常診療の比較的混雑していない時間で実施しておりますので、お電話いただいた際に時間を指定させていただきます。
2. お電話なく来院されました場合、一度ご帰宅いただく場合があります。
通常の診療が大変混み合っている状況では「発熱外来」は実施できません。お電話なく来院された場合、タイミングにより一度ご帰宅いただき、あらためて時間を指定して再度来院いただく場合もありますのでよろしくお願いいたします。
3. 状況により他院をご案内する場合があります。
限られた人員で限られた時間で診療を行なっておりますので、「発熱外来」の受診希望の方が多い場合には実施不可能と判断する場合もあります。その場合には近隣の医療機関で「発熱外来」を実施しているところをご案内いたします。
以上、予めご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
これからも「けやき内科」を、よろしくお願いいたします。
2024年01月21日
今年の花粉情報は?
早いもので1月も半ばを過ぎました。年始の診療から毎日のように発熱外来の問い合わせをいただいており、また「長引く咳」などの呼吸器症状で来院される方も大変多く、混雑する日が続いておりました。
そんな中、先週くらいから「鼻水」「鼻水」「目の痒み」といった花粉症の症状で来院される方がちらほらとおられます。
日本気象協会によると今年の花粉は2月上旬に九州・四国・中国・東海・関東甲信の一部で飛散開始と予想されています。例年より少し早く飛散が開始する見込みだったのですが、暖冬ということもありどうやらすでに一部の地域で花粉の飛散が始まっているようです。
1月の間はまだ気温の低い日もありますが2月に入ると一気に気温が上昇することが予想されており、「休眠打破」で花粉の飛散は一気に本格化するとも考えられています。
一方で花粉の飛散量についてですが、例年(過去10年の平均)に比べると九州から東北のほとんどの地域で例年並みか例年よりやや多いとされています。北海道は非常に多い見込みです。(北海道はスギ花粉ではなくシラカバ花粉。)
花粉症の治療薬については「症状がでてから」ではなく「花粉飛散がはじまる頃には」開始したほうが望ましいとされています。「症状がでないように抑える」という考え方です。症状がでてから治療を開始した場合、特にピーク時の症状のコントロールができない可能性があります。したがってもともと「スギ花粉症」とわかっている方で名古屋周辺にお住まいの方は遅くとも2月はじめから治療を開始するのがよいですね。
これからも「けやき内科」をよろしくお願いいたします!