2022年12月05日

Web Seminar で「気管支喘息」の治療について講演いたしました。

GSK Respiratory Seminar in Aichi 2022 blog.jpgけやき内科のブログをご覧いただき、ありがとうございます。院長の加藤景介です。
11月30日に開催されました「GSK Respiratory Seminar in Aichi」にて「気管支喘息」の治療について講演させていただきました。

今回の講演会はこの地域で診療をされている一般開業医を対象としたもので、呼吸器診療を専門におこなっている同じ開業医の立場として「気管支喘息」の治療について講演させていただきました。
気管支喘息は気道の炎症を本態とした慢性呼吸器アレルギー疾患で、症状が出たり出なかったりを繰り返すことから症状がなくなると「治った」と誤解されがちですが、症状を基準に治療をやめたりしてしまうと何度も症状を繰り返し徐々に呼吸機能の低下が起きてくる可能性があります。喘息の治療の目的は「現時点での症状の改善」と「将来起きうるリスクの回避」であり、その場の症状の消失のみでよしとしてしまうと将来起きうる呼吸機能の低下や喘息死のリスクにつながる可能性が’あります。また喘息治療の領域においては昨今治療薬の開発が目覚ましく、一般開業医でも気軽に処方しうる吸入薬の中でも「吸入ステロイド剤」「長時間作用性β刺激剤」「抗コリン剤」を組み合わせた「3剤合剤」は有効性が高く、以前に比べて高い確率で症状の改善が得られるようになりました。しかしながら全ての患者様に同じ処方でとまではいかないため、患者様のそれぞれの病状をさまざまな側面から見極めて、その患者様に最適な治療薬を選択する必要があります。
今回の講演会では私自身の診療経験を含め、現在の喘息治療ガイドラインや臨床研究の結果もふまえつつ講演させていただきました。完全Web講演だったためご聴講いただいた先生方の反応がわかりにくい状況ではありましたがいくつかご質問もいただき、稚拙な講演ではありましたが多少なりとも日常診療の参考になりましたら幸いです。
これからもけやき内科をよろしくお願いいたします。

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2022年12月01日

十三年間ありがとうございました。

14年目.jpg

 「けやき内科」を開業して13年の歳月が流れ、14年目の朝を迎えました。
開業した日が昨日のように思い出されますが早いものです。

 コロナ禍で医療業界は大変な日々を余儀なくされていますが、スタッフ一同今後とも一層励んでいきたいと思います。

 これからも「けやき内科」をよろしくお願いいたします。


けやき内科 
院長   
加藤景介 



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2022年11月24日

ショッパーでご紹介いただきました。

ショッパー20221124.jpg


本日発行のショッパーで「けやき内科」をご紹介いただきました。
今年は「新型コロナウイルス」と「インフルエンザ」の同時流行が懸念されており、実際に同時に検出される発熱患者が報告されています。同時感染した場合は重症科率が高くなると言われており、感染力の高さから感染者数の急激な増加も懸念されており、大きな経済的損失につながる可能性があります。
現在「けやき内科」では「新型コロナウイルス」に対する予防接種「インフルエンザ」の予防接種を積極的におこなっております。ご希望の方はお早めに申し込みください。
また「けやき内科」にはたくさんの気管支喘息の患者様に通院いただいておりますが、冬季の感染症により喘息症状が悪化しないようにするには、普段の治療がいかに適切にできているかが重要なポイントとなります。そのためには、症状のみならず「呼気中NO測定」「呼吸抵抗測定」「呼吸機能検査」等で、きちんと病状がコントロールできているか客観的に判断する事が有用となります。「咳が続いているけど大丈夫かな」「これからの時期、喘息がまたでこないかな」とご不安な方も是非一度「けやき内科」にご来院ください。
これからも「けやき内科」をよろしくお願いいたします。



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2022年11月22日

Q「ゼーゼー、ヒューヒューという音(喘鳴)があり・・・」

教えてドクター2.jpgQ) ゼーゼー、ヒューヒューという音(喘鳴)があり、気管支喘息と診断されました。しかし、気管支喘息の治療をしても改善しません。本当に気管支喘息なのでしょうか。

A) まず気管支喘息という診断が正しいかどうかですが、症状以外に診断根拠はありますでしょうか。確かに「喘鳴」は気管支喘息の代表的な症状の一つですが、気管支喘息以外にも「喘鳴」をきたす疾患はあります。細気管支炎、DPB(びまん性汎細気管支炎)、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの呼吸器疾患や、心不全のような心臓疾患でも「喘鳴」はみられます。これらの疾患かどうかを判断するためには、胸部レントゲンやCTなどの画像診断や呼吸機能検査、気道のアレルギー反応の有無を判断するFeNO測定など、種々の検査が有用と言えます。
 気管支喘息という診断が正しかったとして、改善しないと感じられる場面もいくつか考えられます。まず気管支喘息の治療薬は吸入薬が中心となりますが、通常治療開始してすぐに劇的な症状の改善はみられません。効果がでるのに数日から1週間程度は要しますので、日にちをみることも必要です。また吸入薬は「吸う」という動作を要する特性上、上手く使えていないと十分な効果は発揮されません。吸入方法が正しいかどうかを確認する必要もあります。また喘息は症状のみを基準に重症度を判断してしまうと病状が過小評価されることもよくあります。重症度の過小評価により不十分な治療薬の選択になってしまい改善しない可能性もあります。一度呼吸器専門医を受診することをお勧めいたします。



(2022年11月22日 中日新聞近郊通し版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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2022年11月17日

Q「からせきが3週間以上続きます・・・」

教えてドクター2.jpgQ)からせき(たんのないせき)が3週間以上続きます。ただの風邪でしょうか。

A) 「風邪」とは上気道(鼻腔から咽頭までの気道)における急性の炎症によって引き起こされる種々の症状を特徴とする疾患です。もちろん「せき」も「風邪」の代表的な症状の一つですが通常は持続するのは1週間から10日程度で、3週間以上続くというのは「風邪」以外の問題の存在を疑う根拠となります。
 「風邪」はウイルスの感染に起因することが最も多いのですが、もし感染症とすると「風邪」ではなく「マイコプラズマ感染症」や「百日咳」といった「ながびくせき」を特徴とした感染性疾患が疑われます。その場合は治療として有効な抗生物質の投与が必要となりますし、人から人にうつる可能性もありますので症状のある間は注意が必要です。
 また感染症以外に「気管支喘息」「咳喘息」「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」といった呼吸器疾患が潜在していたために長期間せきが続いている可能性もあります。症状の出始めには「風邪」だったとしても、このような疾患が元々あって「風邪」を引き金として症状がながびく状況になる場合もあるのです。この場合、「喘息」や「COPD」に対しての治療を行わないとせきはなかなか治りません。
 いずれにしても「ただの風邪」とは考えにくく、一度呼吸器専門医を受診することをお勧めいたします。



(2022年11月17日 中日新聞市民版「教えて!ドクター Q&A」掲載)


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